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うつ病になっても「生活費」が不安で休めない…「傷病手当金」を受け取りながら休むことはできる? 金額はどのくらい?

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月29日 11時30分

うつ病になっても「生活費」が不安で休めない…「傷病手当金」を受け取りながら休むことはできる? 金額はどのくらい?

心の病気である「うつ病」は、誰にでも発症の可能性があります。うつ病の治療は「休養」、「薬物療法」、「精神療法」を組み合わせて行われますが、治療を始めるとこれまで通り働けなくなるという人も多いでしょう。   そういった場合に困るのが生活費です。人によっては、「つらくてもお金のことを考えると休めない」となってしまうかもしれません。そんなときに頼りになるのが「傷病手当金」です。いざという時は無理をせず、公的な保障を利用しながらしっかり休みましょう。

うつ病は増加の一途

厚生労働省の調査による「精神疾患を有する総患者数の推移(図表1)」では、精神疾患患者数は増加の一途をたどっています。入院患者数は減少傾向にありますが、反対に外来患者数が増加傾向にあります。うつ病は決してひとごとではないのです。
 
図表1

厚生労働省 第13回 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会 参考資料
 

傷病手当金はうつ病も対象

傷病手当金とは、病気休業中に会社からじゅうぶんな報酬を受けられない場合に健康保険から支給される手当金で、支給開始から通算して1年6ヶ月間受給できます。受給のためには以下の4つの条件すべてを満たす必要があります。

●業務外での病気やけがの療養による休職であること
●就労不可であると医師から診断されていること
●連続する3日間(待機)を含み、4日以上の休職であること
●休職期間中の給与が支払われないこと

 

仕事でのうつ病は労災保険の対象

うつ病の原因が仕事である場合には、傷病手当金の条件にある「業務外での病気やけがによる療養のための休職であること」に該当しないため、傷病手当金は支給されません。しかし、その代わりに労災保険の対象となり、「休業補償給付」や「療養の給付」が受けられるので安心してください。
 
ただし、労災保険の対象になると1つ問題があります。労災保険の請求をしてから、労災認定の結果が出るまでに6ヶ月以上かかるのです。半年以上も収入が途絶えてしまうと生活ができず困ってしまうという人も多いのではないでしょうか。扶養家族がいる場合にはなおさらです。
そのため、傷病手当金が出ない場合に備えて、うつ病でも保障される就業不能保険に入っておくと安心です。
 

傷病手当金の金額

それでは、うつ病で休職した場合、傷病手当金はどのくらい受け取れるのでしょうか。傷病手当金は以下の算式で計算されます。

支給開始日以前1年間の標準報酬月額の平均÷30日×2/3

具体的な傷病手当金の金額を、以下の条件のもとで試算してみましょう。

●支給開始日以前1年間の標準報酬月額:36万円
●休業期間:4月1日~6月30日(91日)

36万円÷30日×2/3×(91日-3日※)=70万4000円
 
※傷病手当金は、休職した日から連続して3日間の待機後、4日目以降の休職日数に対して支給されます。
 
この場合、傷病手当金は70万4000円受け取ることができます。丸3ヶ月間の休職分であり、1ヶ月あたりにすると約23万円になります。これだけ受給されると、「全然生活できない!」ということはないのではないでしょうか。
 

まとめ

うつ病は誰にでも起こり得る病気です。他の病気と同じく、「早く治療を受けること」が復帰への一番の近道になります。傷病手当金の存在を知ることで、「休む」という選択肢ができれば幸いです。
 

出典

厚生労働省 うつ病に関してまとめたページ
厚生労働省 第13回 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会 参考資料
全国健康保険協会 病気やケガで会社を休んだとき
厚生労働省 労働災害が発生したとき
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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