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現在62歳です。確認したら「年金受給資格期間」が足りなかったんですが、年金はもらえないんでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月30日 10時40分

現在62歳です。確認したら「年金受給資格期間」が足りなかったんですが、年金はもらえないんでしょうか?

62歳になって年金受給資格期間が足りないと気づいたものの、会社を退職している場合、もう年金をもらえないのではないかと不安に思う人もいるでしょう。しかし62歳の時点から、また65歳を過ぎてからでも70歳になるまで保険料を支払うことができる方法があります。   本記事では、国民年金の任意加入制度や、厚生年金の高齢任意加入制度について解説します。

受給資格期間とは

日本の公的年金は、すべての人に支給される老齢基礎年金の受給資格期間が10年となっています。10年の受給資格期間には、国民年金に加入して納付した保険料だけではなく、会社員や公務員などで厚生年金に加入して納付した期間も含まれます。
 
なお年金額には反映されないものの、保険料免除制度を利用した期間や合算対象期間も受給資格期間として扱われます。
 
保険料免除制度とは、本人や世帯主、配偶者の前年所得(1月から6月までの申請は前々年所得)が一定額以下や、失業などの経済的な理由で保険料の納付が困難であれば、保険料が免除される制度です。
 
申請して承認されることで、所得などに応じて「全額免除」「4分の3免除」「半額免除」「4分の1免除」のいずれかになります。
 
合算対象期間とは、受給資格期間を計算する際に算入されるものの、年金額には反映されない期間(カラ期間)のことです。合算対象期間は「1986年3月以前に国民年金に任意加入できる人が任意加入しなかった期間」「1991年3月以前に学生であるため国民年金に任意加入しなかった期間」「1961年4月以降に海外に住んでいた期間」などが対象です。
 

受給資格期間が足りない場合に利用できる制度

受給資格期間が10年に満たなければ、国民年金の保険料のうち未納分を後から納付することで期間に加算されます。ただし保険料の納期限から2年を過ぎてしまうと納付できなくなるため注意が必要です。
 
その他の方法として、国民年金の任意加入制度や、厚生年金の高齢任意加入制度を利用する方法があります。
 

国民年金の任意加入制度を利用する

60歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たしていなければ、60歳以降でも国民年金に任意加入して保険料を納付することができます。また老齢基礎年金の満額受給である40年の納付済期間がない場合でも可能です。
 
任意加入制度を利用する条件は、「日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の人」「老齢基礎年金の繰上げ受給を受けていない人」「厚生年金保険や共済組合などに加入していない人」となります。
 
なお日本国内に住所を有する人は、日本国籍がなく在留資格の特定活動として、「医療滞在または医療滞在者の付添人」や「観光・保養などを目的とする長期滞在または長期滞在者の同行配偶者」については対象外です。
 
また利用条件に加えて、65歳まで任意加入しても受給資格期間に満たなければ、65歳以上から70歳未満までの人や、外国に居住する日本人で20歳以上65歳未満の人も加入ができます。
 

厚生年金の高齢任意加入制度を利用する

会社員で厚生年金に加入している人は、70歳になれば加入資格を失います。ただし70歳時点で10年の受給資格期間を満たしておらず70歳以降も会社に勤める場合であれば、厚生年金の高齢任意加入制度を利用して保険料を納付することが可能です。
 
なお厚生年金保険の適用事業所以外の事業所で働く70歳以上の人は、「事業主に厚生年金保険の被保険者になる同意を得ている」「厚生年金保険の加入について、厚生労働大臣が認可している」ことで高年齢任意加入制度を利用できます。
 

もし62歳で年金の受給資格期間が足りなければ

すでに退職しており、年金の受給資格期間が足りなければ、国民年金の任意加入制度を利用することで、保険料の納付ができます。ただし任意加入制度は、申出のあった月からの加入となるため、さかのぼって納付することはできません。そのため62歳から任意加入制度を利用する場合、3年分の保険料を納付することが可能です。
 
また65歳まで保険料を納付したとしても受給資格期間に満たなければ、70歳までの加入が可能となるため、62歳からでも年金受給に向けた準備ができます。
 
国民年金の任意加入制度は、60歳の誕生日の前日から手続きができるため、もし受給資格期間が足りないことに気づいた場合、早めに手続きすることをおすすめします。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 任意加入制度
日本年金機構 70歳以上の方が厚生年金保険に加入するとき(高齢任意加入)の手続き
 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士

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