老後の年金は夫婦で月「15万円」! 年金だけでは「老後破産」に!?
ファイナンシャルフィールド / 2023年5月5日 2時20分
![老後の年金は夫婦で月「15万円」! 年金だけでは「老後破産」に!?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_204298_0-small.jpg)
子どもが独立し夫婦2人での老後生活が始まり、もらえる年金は2人合わせて15万円程度。このような場合、年金だけで生活できるのか不安になることも多いかもしれません。 年金だけで厳しい場合はどうすればいいのでしょうか。本記事では、老後の平均支出をもとに、年金だけで生活が厳しい場合の対処法について解説します。
老後は年金だけで生活できる?
夫婦2人で老後生活を送る場合、どのくらいお金がかかるのでしょうか。
総務省統計局の家計調査年報(家計収支編)によると、2021年(令和3年)の65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は月額22万4436円でした。本記事で取り上げるケースだと年金収入は月額15万円なので、この時点ですでに約7万円の赤字です。
また、あくまで一例ですが、以下のような形で出費が増えることも十分考えられます。そのため、実際は22万4436円よりも多くかかる恐れがあります。
・冠婚葬祭に参加する機会が増える
・持ち家を購入してから年数が経ち、リフォーム等の手直しが必要になる
・住宅ローンが残っている場合はこれからも払う必要がある
・冷蔵庫や洗濯機などの家電製品や自動車の買い替えが発生する可能性がある
・夫婦で旅行に出かける
収入が年金しかない場合、赤字額はさらに膨らんで10万円以上になるかもしれません。赤字額は貯金でカバーすればいいと思われるかもしれませんが、意外と早く無くなってしまう恐れもあります。
総務省の2人以上世帯の家計調査報告(貯蓄・負債編)によると2021年(令和3年)は1世帯当たりの貯蓄は、貯蓄ゼロ世帯を含めた中央値の場合は約1000万円となっています。
仮に貯蓄が1000万円あったとしても、毎月10万円ずつ赤字が続けば10年足らずで底をついてしまいます。65歳であれば75歳頃に貯蓄がゼロになってしまうかもしれないわけです。
「人生100年時代」といわれますが、仮に100歳まで生きるとしたら残り25年間どのように生活するのか対策を考えなければなりません。
年金だけで厳しい場合はどうすればいい?
すでに年金だけで悠々自適の暮らしができる時代ではない以上、収入を年金だけに頼らない仕組みづくりが必要です。最も現実的なのは、定年後も「再雇用」などで働き続けることです。
現役時代に比べると収入は下がるかもしれませんが、たとえ月収10万円でも年間120万円、5年働くと600万円です。無収入に比べると全然違います。
定年退職してから他の企業で働いたりパートやアルバイトをしたりする方法もありますが、就職活動をして必ず採用される保証はなく、むしろ「狭き門」でなかなか決まらない可能性もあります。
その点、再雇用であれば慣れた環境で働ける、今までの経験をそのまま活かせるメリットがあります。勤務先に再雇用されるなどの可能性が低く、年金以外の収入を作るのが難しい場合は、再就職をしたり、できる限り支出を減らしたりする必要があります。
支出について、まずは住宅や保険など特に金額が大きい固定費から見直してみましょう。仮に毎月3万円節約できたら、年間36万円浮く計算になるので無視できないですね。節約するときに注意したいのは食費や水道光熱費などの変動費を我慢しすぎないことです。
朝食を抜いて食費を抑えたり、光熱費を抑えるために夏や冬にエアコンを使わずに過ごしたりすると、節約を達成するどころか健康を害してしまう恐れがあります。節約したいのに結局病気になって医療費がかさんでしまっては本末転倒です。
まとめ
今回は老後の年金が夫婦で毎月15万円の場合、年金だけで生活できるのか解説しました。
たとえ貯金がたくさんあっても思わぬ形で出費が増えたり、想像以上に早く無くなったりする可能性もあります。老後破産を防ぐためにも年金以外の収入を確保していきましょう。
出典
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)
総務省 家計調査報告(貯蓄・負債編)2021年(令和3年)平均結果(二人以上の世帯)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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