将来年金をもらえない人の特徴とは? 未払いを補う2つの制度を紹介
ファイナンシャルフィールド / 2023年5月7日 11時0分
![将来年金をもらえない人の特徴とは? 未払いを補う2つの制度を紹介](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_204488_0-small.jpg)
老後にもらえるお金の代表的なものとして、国民年金の老齢基礎年金があります。ただし、中には将来、年金をもらえない人もいます。 本記事では年金をもらえない人の特徴と、年金の未払いを補う2つの制度を解説します。
将来年金をもらえない人
結論からいえば、「将来年金がもらえない人」とは、年金保険料を納付せず長期間未納状態になっている人(免除申請で受理された人は除く)です。
老後にもらえる年金(老齢基礎年金)を受け取るためには、保険料納付済み期間や免除期間などを合わせた受給資格期間が、10年以上なければなりません。年金保険料の納付をせずに長期間未納状態が続き、受給資格期間が10年未満の場合は年金を全くもらえません。
厚生労働省が令和4年に公表した国民年金被保険者実態調査によると、国民年金保険料を納付しない理由で最も多いのが「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」というものです。
ほかには、20代では「うっかりして忘れた、後でまとめて払おうと思った」といった理由がある一方で、年代が上がるほど「年金制度の将来が不安・信用できない」「納める保険料に比べて、十分な年金額が受け取れないと思う」といった理由も目立ちます。
厚生労働省の「令和3年度の国民年金の加入・保険料納付状況」によると2021年の最終納付率は78%でした。つまり22%の人が納付していない計算になります。
年金の未払いを補う2つの制度
国民年金は20歳から60歳までの40年間、保険料を全て納付すると老齢基礎年金を満額受け取ることができます。
会社員の場合は源泉徴収制度で保険料も天引きされるので、未納が起こることはほぼありません。しかし自営業者や無職など、国民年金第1号被保険者にあたる人は、自分で保険料を納付する必要があります。
収入が少ない、事業に失敗して売り上げがないといった事情から、納付が難しい場合もあります。年金保険料の未納で最も多いのは経済的な理由です。
その場合は未納のままにせず、国民年金の保険料免除や納付猶予制度を必ず利用しましょう。「今すぐ払えないなら免除も未納も同じでは?」と思われるかもしれませんが、全く違います。
免除や納付猶予制度の手続きをして受理されると、免除や猶予されている間も年金の受給資格期間に含まれます。未納のままだと含まれません。
また、免除や納付猶予制度を利用することで、将来的に未払いを補うこともできます。
国民年金保険料の追納制度
免除や納付猶予制度、学生納付特例制度を利用して承認された期間の保険料は、後から納付可能です。
通常は納付期限から2年を過ぎると、時効によって納付できなくなってしまいます。ただし、追納制度を使うことで、手続きして承認された月から起算して10年以内の未払い分を納付することができます。
将来受け取れる年金額が増えるだけではありません。社会保険料控除が使えるので、所得税や住民税の負担が軽減され、年末調整や確定申告をすることで節税が可能です。
ただし、これは免除や納付猶予制度を利用していることが前提です。何も対策をせず未納のまま放置している場合は適用されないので、注意しましょう。
国民年金の任意加入制度
納付期限から2年過ぎてしまった、学生時代に猶予されていた分を払いたいけど追納期限を過ぎてしまった、といった理由で諦めるのは早計です。
60歳までに保険料納付済み期間が40年になっておらず、過去の未払い分を補って年金額を増やしたい場合は、任意加入制度を利用できます。
厚生年金保険、共済組合等加入者は利用できませんが、定年後も働いて厚生年金を払うことで、老齢基礎年金の不足分を補えます。
任意加入制度は原則65歳未満の人しか加入できず、年金の受給資格期間を満たしていない場合も、70歳未満の条件があります。
過去の未納期間が長いと、任意加入制度を利用しても満額に近づけないこともあります。
まとめ
今回は、将来年金をもらえない人の特徴と未払いを補う2つの制度を解説しました。
●将来年金を受け取るためには10年以上の受給資格期間が必要
●年金の未払いを補う制度として「追納制度」(国民年金保険料免除制度や納付猶予制度、学生納付特例制度を利用した場合のみ利用可)と「任意加入制度」がある
●未払い分を補うためには、早めに手続きする
未納期間が長くなるほど、後で補える範囲も狭くなってしまいます。経済的事情から納付が難しい場合は、早めに免除や納付猶予制度の手続きを行いましょう。
出典
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
厚生労働省 令和2年国民年金被保険者実態調査 結果の概要
厚生労働省 令和3年度の国民年金の加入・保険料納付状況
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 Q.保険料を納めなかった期間がありますが、今から納めることができますか。
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 任意加入制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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