1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

年収1200万円を超えると「児童手当」はゼロ円に!? 受給要件を解説

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月7日 10時10分

年収1200万円を超えると「児童手当」はゼロ円に!? 受給要件を解説

諸物価が高騰しているなかで、子どもが中学校を卒業するまで児童手当を受けられるのはありがたいことです。しかし、政府は社会保障費の増大などの影響もあり、支出を抑える一環として、2022年に児童手当法の改正を行いました。ここでは、法改正で児童手当の受給要件がどう変わったのか、また、満額もらえる場合の条件や受給の際の留意点などを紹介します。

どういう場合に児童手当を受けられるの?

児童手当は児童の健全な成長を促進し、育児に関する家庭の経済的負担を軽減することを目的にしています。子どもが生まれてから中学校を卒業するまで、子どもの年齢により以下のとおり一定額を支給するのです。
 

児童の年齢:児童手当(1人当たり月額)
3歳未満:1万5000円
3歳以上:小学校終了前1万円(第3子以降は1万5000円)
中学生:1万円

 
この児童手当の支給には養育者の扶養親族数に応じ所得制限を設けています。「制限限度額」以上の場合、児童手当を支給せず、特例給付として1人月額5000円を支給していました。ところが、2022年10月に児童手当法を改正し、この制限限度額の上に「上限限度額」を新たに設けています。
 
所得額が上限限度額以上の場合、2022年10月支給分から特例給付も支給しないことになったのです。図表1の(1)未満であれば通常の金額が支給され、 (1)以上で(2)未満の場合は特例給付になります。
 
図表1
 

扶養親族等の数 (1)所得制限限度額収入額の目安 (2)所得上限限度額収入額の目安
0人
(前年末に児童が生まれていない場合など)
833万3000円 1071万円
1人
(児童1人の場合など)
875万6000円 1124万円
2人
(児童1人+年収103万円以下の配偶者の場合など)
917万8000円 1162万円
3人
(児童2人+年収103万円以下の配偶者の場合など)
960万円 1200万円
4人
(児童3人+年収103万円以下の配偶者の場合など)
1002万円 1238万円
5人
(児童4人+年収103万円以下の配偶者の場合など)
1040万円 1276万円

 
※扶養親族等の数は、所得税法上の同一生計配偶者及び扶養親族(施設入所等児童を除く。以下、「扶養親族等」という)並びに扶養親族等でない児童で前年の12月31日において生計を維持したものの数をいいます。
※「収入額の目安」は、給与収入のみで計算しています。あくまで目安であり、実際は給与所得控除や医療費控除、雑損控除等を控除した後の所得額で所得制限を確認します。
 
内閣府児童手当制度のご案内から作成
 

児童手当を満額もらえる場合ともらえない場合はどのくらいの差になるの

児童を1人として所得制限にかからず、0歳から中学校卒業時まで児童手当の要件を満たす場合にどのくらいの金額を受給できるのか、みてみましょう。
 

3歳未満:1万5000円×36ヶ月=54万円
3歳~小学校修了:1万円×120ヶ月=120万円
中学生:1万円×36ヶ月=36万円

 
以上のとおり合計では210万円になり、所得上限限度額以上で児童手当を全くもらえない場合と比較すると大きな差になります。6月から翌年5月分までの1年分の児童手当は、6月の前年の所得で判断します。
 
仮にある年の所得が所得上限限度額を上回って児童手当を受けられなかったとしても、所得が下がって支給要件に該当するようになれば、認定請求書を提出すれば支給されます。
 

児童手当を受ける場合にはどんな注意点があるの

児童手当は子どもが誕生すると、何もしなくても支給されるわけではないので注意してください。お住まいの自治体に子どもが生まれてから15日以内に「認定請求書」を提出して、「認定」を受けなければなりません。自治体が児童手当の受給要件に該当すると認定したら、申請した翌月分から児童手当を受けることができます。
 
申請を忘れていると、さかのぼって児童手当を受けることはできませんので、忘れずに手続きを済ませましょう。また、上限限度額を超えて不支給になっても所得が減少すれば受けられる場合があるので、そのときは忘れずに認定請求書を提出しましょう。
 

児童手当を忘れずに手続きして子育てに効果的に使おう

社会保障費が増大していくなか、政府は歳出削減に努め、国民の負担は今後も増えていく可能性があります。頻繁に法改正が行われており、これまで受けられていた給付金やサービスにもさまざまな制限が加わっています。また、改正されたサービス内容を知らなければサービスを受けられない場合もあるでしょう。
 
2022年に児童手当法が改正され、現在の状況を紹介しましたが、今後もこの状況が続く保証はありません。児童手当をはじめとした子育て支援に関する情報を最新のものにアップデートするように心がけ、受けられるサービスを漏れなく効果的に子育てに活用するとともに、所得に関係なく必要な人に手当が支給されるようになることを願います。
 

出典

内閣府 児童手当制度のご案内

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください