定年後は年収が「100万円」下がる!? その分「高齢雇用継続給付」を活用することはできる?
ファイナンシャルフィールド / 2023年5月11日 2時30分
定年退職後も働き続ける人は増えており、理由としては経済的な理由や社会とのつながりを持ちたいなどさまざまです。しかし、一般的には再雇用などで新たに雇用契約を締結した場合、年収が大きく下がってしまう傾向にあります。年収が下がってしまえば生活維持が難しくなる恐れがあり、年収が下がった場合の対処方法などについて考えておく必要があります。 本記事では、定年後に年収が下がった場合の対処方法などについて解説するので参考にしてみてください。
定年後は年収が下がる?
定年後は年収が下がってしまう可能性が高くなっています。
国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」の年齢階層別平均給与を見ると、定年退職が関係ない55歳から59歳の男性の平均給与は687万円ですが、定年退職する年齢階層に当たる60歳から64歳は平均給与537万円・65歳から69歳までは423万円・70代以上は369万円と、定年退職後の平均給与は100万円以上も下がっている傾向にあります。
定年後の年収が下がってしまう理由は、再雇用の場合は契約社員や嘱託社員としての契約になることが多いためです。契約社員や嘱託社員は正社員と比較して給料などが低く設定されている傾向にあり、また、正社員時には役職手当などがあっても再雇用では一般社員としての契約になる可能性もあります。
定年退職後は年収が下がるため、生活費の見直しなどによって毎月の支出などを減らすことが大切です。ただし、定年退職後には平均給与は下がりますが、老齢基礎年金・老齢厚生年金の受給が始まる年代でもあり、それを含めて全体の収入・支出について見直しましょう。
年収が下がった場合は高齢雇用継続給付を活用する
年収が下がった場合は高齢雇用継続給付を活用して、減ってしまった分の年収を補うことが可能です。減ってしまった年収を補えれば生活などの安定にもつながり、定年後の生活にも大きく貢献してくれます。高齢雇用継続給付を活用するには要件を満たしている必要があり、要件としては以下が挙げられます。
(1)支給対象月の初日から末日まで被保険者であること
(2)支給対象月中に支払われた賃金が、60歳到達時等の賃金月額の75%未満に低下していること。
(3)支給対象月中に支払われた賃金額が、支給限度額未満であること
(4)申請後、算出された基本給付金の額が、最低限度額を超えていること
(5)支給対象月の全期間にわたって、育児休業給付または介護休業給付の支給対象になっていないこと。
雇用保険の被保険者になっている点、賃金月額が75%未満に低下している点は確認しておきましょう。高齢雇用継続給付は誰でも受給できるわけではなく、所定の要件を満たしている必要があります。自分が要件を見たいしているかどうか考えて、要件を見たしているなら高齢雇用継続給付の活用も考えましょう。
高齢雇用継続給付で支給される金額は賃金の低下率によって決められ、低下率=支給対象月に支払われた賃金額÷賃金月額×100で計算されます。低下率に伴って支給金額も変動し、最大で15%が支給される制度です。
高齢雇用継続給付の手続きは原則として企業がおこないますが、自分でハローワークにて手続きもできます。
まとめ
定年後は再雇用などによって年収が下がってしまうケースが多く、理由として再雇用で新しく結ばれる雇用契約が契約社員や嘱託社員であることが考えられます。
どれくらいの年収になるかは企業との契約内容によって異なりますが、再雇用や再就職によって下がった金額によっては高齢雇用継続給付の対象になります。自分の以前の年収と現年収をしっかりと把握して、高齢雇用継続給付の要件を満たしているか確認しておきましょう。
出典
国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-
厚生労働省 Q&A~高年齢雇用継続給付~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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