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年金を受け取らず「70歳以降」で死亡。遺族は「未支給分の年金」を受け取れる?

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月11日 2時10分

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年金の受け取りには時効があります。老齢基礎年金や老齢厚生年金の受け取り開始を遅らせて年金の額を増やす「繰下げ受給」をするつもりで、年金の請求手続きを待機していた人が70歳以降に亡くなった場合、遺族が受け取れる年金はどのように計算されるのでしょうか?   本記事では、年金の請求手続きを待機していた人が70歳以降に亡くなった場合の「未支給年金」について解説します。

未支給年金とは

「年金を受給中の人」が亡くなったとき、まだ受け取っていない年金や亡くなった日より後に振り込まれた年金のうち、「亡くなった月の分までの年金」は遺族の受け取りが可能です。これを「未支給年金」といいます。
 
未支給年金は、亡くなった人と生計を同じくしていた遺族のうち、「配偶者」「子」「父母」「孫」「祖父母」「兄弟姉妹」「3親等内の親族」の順で請求できます。
 

年金の時効とは

年金の受給権は、権利が発生した時点から5年を経過すると時効により消滅します。よって、さかのぼって受給できる年金は最大で過去5年分です。
 
70歳以降80歳未満の人が繰下げ受給を選択せずに老齢年金を請求する場合には、「請求の5年前に繰下げの申出があったもの」として年金の額が計算され、実質的に時効が適用されない仕組みがあります(特例的な繰下げみなし増額制度といいます)。これは本人が請求する場合にのみ適用されます。
 

繰下げ受給とは

老齢基礎年金および老齢厚生年金は、原則として65歳から受け取ることができます。しかし、本人が希望すれば受給開始の時期を66歳以降75歳までの間に遅らせて、受け取る年金の額を増やすことが可能です。これを「繰下げ受給(繰下げ増額)」といいます。
 
受給開始の時期を1ヶ月遅らせるごとに、受け取る年金の額は0.7%増えます。

例1:5年遅らせて70歳から受け取る場合、42%増額(0.7%×60ヶ月)
例2:10年遅らせて75歳から受け取る場合、84%増額(0.7%×120ヶ月)

 

繰下げ受給で年金待機中の人が70歳以降に亡くなった場合は?

「繰下げ受給をするつもりで年金の請求を待機していた」「単に請求手続きを失念していた」などの理由で老齢年金を受け取り始めていない人が亡くなった場合、亡くなった人が受け取るはずだった年金はどうなるのでしょうか?
 
この場合、亡くなった人が受け取るはずだった年金は、亡くなった人と生計を同一にしていた遺族の請求に基づき、未支給年金として遺族に支給されます。ただし、未支給年金の支給額は「亡くなった人に老齢年金の受給権が発生した時点(65歳)から、亡くなるまでの期間に支給すべきであった本来の額」で計算された老齢年金の合計です。
 
亡くなった人に繰下げ受給の希望があったとしても、実際に繰下げ受給を申し出る前に死亡したのであれば代わりに遺族が繰下げ請求することはできないことから、遺族に支給される未支給年金に繰下げ増額は適用されません。さらに、70歳以降の死亡の場合は年金の時効も適用されるため、時効消滅していない過去5年分が未支給年金の対象となる点にも注意が必要です。
 

まとめ

老齢年金の受け取り開始を遅らせて年金の額を増やす「繰下げ受給」をするつもりで、年金の請求手続きを待機していた人が亡くなった場合、亡くなった人が受け取るはずだった年金は、生計同一だった遺族が「未支給年金」として受け取れます。
 
ただし繰下げ増額は適用されず、亡くなった人が本来65歳から受け取っていたであろう額が一括で支給されます。さらに70歳以降の死亡の場合は、時効により過去5年分のみとなるため注意しましょう。
 

出典

日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき
日本年金機構 年金の時効
日本年金機構 年金の繰下げ受給
 
執筆者:福嶋淳裕
日本証券アナリスト協会認定アナリスト CMA、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本商工会議所認定 1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

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