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保育士ですが手取り「18万」で帰宅は22時、自宅では「持ち帰り残業」の日々です。これって仕方ないんですか?

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月11日 10時30分

保育士ですが手取り「18万」で帰宅は22時、自宅では「持ち帰り残業」の日々です。これって仕方ないんですか?

保育士は子どもたちの成長を見守る責任とやりがいのある仕事です。一方で、「給与が低い」「残業時間が多すぎる」といった声も少なくありません。「手取りは18万円で帰宅は22時」など、低賃金・長時間労働に悩んでいる保育士の人もいるのではないでしょうか。本記事では、保育士の平均給与、残業時間、配置基準について解説します。

保育士の平均給与は?

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模が10人以上の保育施設で働く保育士の「きまって支給する現金給与額」は26万6800円、「年間賞与その他宅別給与額」は71万2100円が平均となっています。手取りにすると約20万円で、年収はおおよそ391万円です。
 
同調査の「きまって支給する現金給与額」が近い水準と職種としては、栄養士の26万4200円、介護支援専門員(ケアマネージャー)の28万4500円などがあります。
 
国税庁の民間給与実態統計調査では、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は443万円となっており、保育士の給与は平均と比べ決して高くないことがわかります。また、厚生労働省の調査では保育士の平均年齢は38.8歳で、勤続年数は8.8年です。年齢が若かったり、勤続年数が短かったりすると、手取りが20万円をかなり下回るケースもあるでしょう。
 

保育士の残業時間は?

保育士は持ち帰って仕事をするケースも珍しくありません。保育施設での残業時間は月10時間未満でも、自宅でプライベートの時間を削ってお便りの作成や行事の準備などを行っている場合があります。発表会の衣装づくりや飾り付けなど、「園児と保護者に喜んでもらいたい」と思うほど、負担は大きくなる傾向です。
 
基本的には保育施設で残業をすると残業代がつきますが、持ち帰り仕事はサービス残業となることが多く、収入につながりません。人手が不足していたり、行事が多かったりする保育施設は、仕事量も増加します。勤務する保育施設を選ぶときは、保育施設での残業時間だけでなく、どれくらい持ち帰りの仕事が発生するのかを確認することが大切です。
 

保育士の配置基準は?

配置基準とは、子どもを安全に保育するために国が定めた基準です。子どもの年齢ごとに最低限必要な保育士の人数が決まっていて、0歳児では子ども3人につき保育士1人、1・2歳児では子ども6人につき保育士1人となっています。3歳児以上になると子どもの人数が一気に増えて、3歳児は子ども20人につき保育士1人、4・5歳児は子ども30人につき保育士1人です。
 
あくまで最低限の人数となるため、3歳児以上のクラスでも担任の保育士1人に副担任や補助の先生がつくケースが大半です。副担任や補助の先生がいたとしても、日中は子どもの保育で手一杯になることが多く、事務作業は進みません。子どもが帰ってからお便りの作成や行事の準備をすることも多く、サービス残業が発生しやすい環境となっています。
 

保育士の労働環境のこれから


 
共働き世帯が増加している日本では、保育士は社会的にも欠かせない大切な職業です。「責任のある仕事なのに賃金が伴っていない」との指摘もあり、保育士の労働環境の見直しについての議論も活発になっていることから、今後の改善が期待されています。子どもが好きで保育士になったのに、労働環境が原因で退職することがないよう、国にも早急な対処が求められています。
 

出典

厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査

国税庁 令和3年分民間給与実態統計調査

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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