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離婚後に「元夫名義の家」に住むのは危険!? 住宅ローンが残っている場合の「2つのリスク」について解説

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月12日 10時20分

離婚後に「元夫名義の家」に住むのは危険!? 住宅ローンが残っている場合の「2つのリスク」について解説

「離婚後もこの家に住み続けたい」と考える人は少なくありません。特に子どものいる家庭であれば、できるだけ環境を変えずに暮らしたいでしょう。   結論からいうと、離婚後も配偶者名義の家に自身が子どもが住み続けることは可能です。配偶者の不倫などで離婚した場合、慰謝料や養育費の代わりに住宅ローンの完済まで配偶者に負担してもらうよう、取り決めをすることはよくあります。ただし、元配偶者の住宅ローンの返済が滞ると、家を競売にかけられ強制的に追い出される恐れがあるため注意が必要です。   本記事では、住宅ローンが残っている元夫名義の家に住む2つのリスクと、住み続けるための方法を紹介します。

元夫名義の家に妻が住み続けるリスク

住宅ローンが残っている元夫名義の家に、妻と子どもが住み続ける場合、次の2つのリスクがあります。
 

●勝手に売却される恐れがある
●強制退去の恐れがある

 
それぞれ見ていきましょう。
 

勝手に売却される恐れがある

家の名義が元夫のままだと、勝手に売却される恐れがあります。家の所有権をもっていれば自由に売却できるためです。
 
元夫名義ということは、その家は紛れもなく夫の所有物であるため、いくら住んでいるからといって売却を取り消すことは難しくなります。
 

強制退去の恐れがある

住宅ローンの返済を元夫が滞らせた場合は、競売にかけられ強制退去させられる恐れがあります。元夫に新しい家族ができて返済が難しくなったり、病気になって収入が減ったりして、滞納する可能性は少なくありません。元夫が滞納すると債権者側(融資している立場の人)は、貸したお金を回収しようと考えるため、家を強制的に競売にかけてしまいます。
 
また、妻が住宅ローンの連帯保証人になっている場合は、夫が滞納することにより住宅ローンの残りをすべて返済するよう求められることもよくある話です。
 

住宅ローンの残った家に住み続けるためには

前述したとおり、家の名義を元夫のままにしていると、売却されたり競売にかけられたりする恐れがあります。そのようなリスクを避けるには、売却してしまうのも1つの方法です。しかし、環境を変えたくないなどの理由から、住宅ローンの残った家に住み続けたい人もいるでしょう。
 
そのような人に、次の2つの方法を紹介します。
 

●住宅ローンの名義を妻に変更する
●公正証書を作成する

 
それぞれ見ていきましょう。
 

住宅ローンの名義を妻に変更する

住宅ローン名義を夫から妻に変更し、持ち家として住み続ける方法があります。ローン名義を妻に変更できれば、家の名義も問題なく妻に変更できるため、夫の滞納におびえることなく暮らすことが可能です。
 
しかし、住宅ローンの名義変更を、金融機関に認めてもらう必要があります。妻に返済能力がない場合は認めてもらえないため、基本的に住宅ローン名義を変更することは困難です。
 
妻が住宅ローンの審査に通らない場合は、妻の両親や兄弟姉妹などに頼んでローンを完済したり、別の不動産を担保にしたりすることで対応できる可能性があります。借入先の金融機関に相談してみましょう。
 

公正証書を作成する

離婚後に家の名義を妻に変更できない場合、離婚後も元夫がローンを払い続けて完済したときに、「やはり家は自分のものだ」と家の名義変更に応じてくれない恐れもあるでしょう。
 
このようなケースを防ぐために、ローン完済後は家の名義を妻に変更できるよう、公正証書を作成しておくことが重要です。公正証書は裁判結果と同じような効力をもっているため、信用性が高くなります。
 
しかし、公正証書を作成したからといって、100%執行できるわけではありません。家の名義変更に関しては、所有者の関与なく行うことはできないためです。
 
また、完済後に家の名義を妻にする取り決めをしたとしても、途中で返済できなくなると競売にかけられる可能性もあります。
 

弁護士に相談しよう

住宅ローンが残っている元夫名義の家に、妻と子どもが住み続ける場合はよくありますが、家を売却されたり競売にかけられたりするリスクがあります。元夫が離婚後も住宅ローンの返済を続けると約束していても、病気になって働けなくなれば返済できません。
 
妻の返済能力が金融機関に認められて、住宅ローンや家の名義を変更できればいいのですが、返済能力がなく金融機関に名義変更を認めてもらえないことのほうが多いでしょう。そのような場合は、身内に協力を依頼したり、ローン完済後は家の名義を妻に変更するよう公正証書を作成したりするなどの方法があります。
 
いずれの方法を選択するにしても個人での判断が難しい場合は、離婚に強い弁護士に相談するとよいでしょう。
 
執筆者:新川優香
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士

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