「自動車税」の納付が遅れたら「差し押さえ」!? 滞納するとどうなるの？

毎年のゴールデンウイーク前後に届く自動車税の「納付通知書」に書かれた税金額を見て、憂うつな気分になる人もいるかもしれません。   納付期限が5月31日までと短いため「ゴールデンウイークの行楽でお金を使ってしまった」など、さまざまな事情で自動車税の支払いが遅れてしまった場合はどうなるのでしょうか。本記事では、納付が遅れた場合の生活上のリスクと、3つの対処法もあわせて解説します。

自動車税はどこに納める税金？

自動車税は、車検証に登録されている所有者に課税される「地方税」で、国ではなく都道府県に毎年納めます。毎年4月1日時点での所有者に支払い義務があります。
 
自動車の排気量・用途に応じて税額に違いがあり、2019年10月の改正で普通自動車の税額について2019年10月以前・10月以降での購入（初回新規登録）での税金額が変わりました（軽自動車税の税率は変更なし） 。
 
図表1
 

排気量	2019年10月以前登録	2019年10月1日以降登録
1000cc以下	2万9500円	2万5000円（▲4500円）
1000cc超1500cc以下	3万4500円	3万500円（▲4000円）
1500cc超2000cc以下	3万9500円	3万6000円（▲3500円）
2000cc超2500cc以下	4万5000円	4万3500円（▲1500円）
2500cc超3000cc以下	5万1000円	5万円（▲1000円）

 
総務省 自動車税の税率引き下げを基に作成
 

自動車税を滞納したらどうなるの？

自動車税の納付期限までに支払わなかった場合、生活上で大きなリスクを受けてしまいます。まず、以下のような流れで支払いを促されます。
 

（1）納付期限後20日前後に「督促状」が届く
（2）督促状を無視し続けると「催告書」が定期的に届く
（3）催告書を無視し続けると「差し押さえ予告通知書」が届く
（4）銀行預金や財産の差し押さえが行われる

 
銀行口座に預金残高がある場合は、滞納額と延滞金を合わせた金額を差し押さえられます。支払い全額が差し押さえられなかったときには、車のタイヤをロックして動かせないようにする措置が行われることもあります。
 
金銭や車を差し押さえても滞納している金額に足りなかった場合には、株式・土地などの財産が差し押さえ対象となります。
 
延滞金は、どのように計算されるのでしょうか？納付期限の翌日から、納付した日までの期間日数に応じて、都道府県ごとに定めている利率で日割り計算されます。
 

＜例・自動車税3万6000円を180日滞納した、東京都に住んでいるAさんの場合＞

・東京都での納期限から1ヶ月未満での延滞率2.4％、1ヶ月以上の延滞率8.7％

（1）3万6000円×2.4％×30日÷365日＝71円（1円未満切り捨て）・・A
（2）3万6000円×8.7％×150日÷365日＝1287円・・B
（3）Aの金額71円＋Bの金額1287円＝1358円
（4）100円未満は切り捨てなので、1300円が延滞金として加算されます。

 
自動車税滞納のリスクには「車検が通らなくなる」もあります。車検手続きには自動車税納税証明書が必須であり、車検が切れると同時に自動車損害賠償責任保険（自賠責保険）にも加入していない状態となるため、運転免許が停止されてしまうのです。
 
車検が切れた車で公道を走り、もし事故を起こしてしまった場合には、重大な過失として多大な損害賠償金を請求される可能性もあります。自動車税を滞納していると、車の売却・譲渡もできません。
 

3つの対処法

自動車税を納め忘れてしまった場合の3つの対処法を紹介します。
 

（1）すぐに支払う

納税通知書の取扱期限内であれば、金融機関などで支払いが可能です。
 

（2）納付書を紛失・引っ越して納付書が届いていない場合は再発行してもらう

納付書を紛失・納付書が届いていない場合には自治体の税務課に連絡し、再発行してもらった納付書で支払いましょう。
 

（3）分割での納付を相談する

失業や病気などでお金がなくて一括で自動車税を支払えない場合、分割での納付を認めてくれる自治体もあります。現在の生活状況・収入などが分かる書類を用意して自治体の税務課に相談しましょう（都道府県によって分割払いが適用できる条件が異なり、分割払い不可なところもあり）。
 

まとめ

生活する上で自動車が必要な人には、自動車税の納付は避けられません。口座振替での納付を申し込んでおくなど、忘れずに納付することで延滞金などのリスクを回避しましょう。
 

出典

総務省 2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります

東京都主税局 税金の支払い

警視庁 交通違反の点数一覧表

警視庁 点数制度

 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー