長寿リスクに備えられるのはお金持ちだけ? 所得の低い人でもできる老後対策とは?
ファイナンシャルフィールド / 2023年5月15日 7時20分
人生100年時代といわれるなか、長生きすることによって問題視されているのが、長寿リスク。老後の生活を長く続けるためには必要なお金も多くなるため、特に低所得世帯の人は不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。 そこで本記事では、低所得世帯でもできる老後対策について解説します。できるだけお金をかけずに備える方法をお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
日本の長寿リスクの実態
公益財団法人長寿科学振興財団によると、長寿リスクとは、老後生活のために備えた資金が足りず、経済的に困ってしまうことです。自分が何歳まで生きるかはなかなか予想しづらく、予想よりも長生きした場合は、定年後の生活費などの負担がかさんでしまいます。
平均寿命が延びている現在、長寿リスクは多くの人に関わる問題です。厚生労働省の令和3年(2021年)の簡易生命表によると、男性の平均寿命は81.47年、女性の平均寿命は87.57年となっています。
5年前の平成28年(2016年)と比べると、男性は0.49年、女性は0.43年延びており、今後も延びていくことが予想されます。1人ひとりが長寿リスクに備えて、早いうちから向き合う自助努力が大切です。
低収入世帯の現状
株式会社Wizleapが運営する「マネーキャリア」では、2022年5月に「資産形成についての意識調査」(調査対象:全国の20~59歳の男女1000人)を行っています。
「資産形成に危機感があるか」についての調査結果によると、世帯年収が低いほど「危機感がある」人の割合が多く、世帯年収300万円未満で86.9%、世帯年収1000万円以上で75.8%となっており、その差は11.1ポイントとなっています。
また、「資産形成を実際にしているか」という質問について「している」と回答した人の割合は、世帯年収300万円未満が50.5%、世帯年収1000万円以上は82.3%という結果となり、その差は31.8ポイントもあります。
以上のことから、低収入世帯であるほど資産形成に危機感がある一方で、資産形成をしたくてもできない人が多いことが分かります。
できるだけお金をかけず老後に備えるには?
できるだけお金をかけず、老後に備えるポイントは2つあります。1つは現在の生活費を見直すこと、もう1つは金融商品を使って積み立てていくことです。
(1)現在の生活費を見直す
「お金が足りないから収入を増やさなくては」と考えがちですが、それよりも先に、目の前にあるお金の使い方を見直してみましょう。出費を抑えられるものにもかかわらず、「手間がかかるから」と目を背けて、無駄な出費をし続けているかもしれません。
特に注目したいのが固定費。固定費は一度見直せば、その後もずっと支出を軽減し続けられます。まずは手軽な通信費と保険料を見直してみましょう。
スマホは毎月利用しているギガ数にあった契約プランになっているか、余分なサブスクリプションに加入していないかなど確認してみてください。
また、保険料も本当に必要な保障に絞れているのかを確認してみてください。日本は公的な健康保険も充実しているため、必要以上の医療保険はいりません。さらに車の保険も、年齢制限や免許証の色による割引、不必要な付帯をつけていないかなど、一度すべて確認してみましょう。
(2)金融商品を使った積み立て
毎月同じ金額を少しずつ貯めていくのであれば、預け先を金融商品に変更しましょう。複数の投資先に分散投資できる投資信託がおすすめです。つみたてNISAやiDeCoなど、利益が非課税になる制度を上手に利用してみてください。
特にiDeCoは、60歳まで引き出せない制限があります。一見デメリットにみえますが、老後まで気軽に引き出さず確実に貯められるため、目的を考えると大きなメリットです。
積立投資は長い年月をかけて運用することで、複利効果を得やすくなります。購入タイミングを分散することで買い付けの単価も平均化されるため、リスクを軽減できる効果もあります。20年、30年と積み立てる期間を持てる人は、ぜひ取り入れてみてください。
まとめ
今回は、低所得世帯でもできる老後対策について解説しました。
新しいことを何か取り入れるのではなく、目の前にあるものを見直すだけで、お金の使い方は大きく変わります。小さなことでも積み重ねることで大きな結果につながるため、まずは一歩、行動してみましょう。
出典
公益財団法人長寿科学振興財団 人生100年時代の長寿リスクと資産寿命
厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況
厚生労働省 平成28年簡易生命表の概況
株式会社Wizleap 資産形成についての意識調査(PR TIMES)
マネーキャリア
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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