「節約」と「残業」、お金を貯めたいならどっちに力を入れるべき？

節約と残業、お金を貯めるためには、どちらに力を入れて行うべきなのかは永遠の課題とも言えるテーマですが、実際、どちらに力を入れる方がより効率よくお金を貯めることができるのでしょうか。   効率よくお金を貯めたいと悩んでいる方に向けて解説していきます。

残業が難しいのであれば節約が効果的

職場の環境面や体力面、家庭の問題などから残業することが難しいという場合は、節約に力を入れることでお金を貯めることができます。収入が変わらなくとも支出を減らすことで、手元に残るお金は増えるため、結果的に貯蓄をすることができるのです。
 
具体的には下記のような節約が有効になります。
 
【図表1】

実施内容	補足など
買い物はスーパーやドラッグストアを中心に行う	特売日を狙うことで、より効果的に節約できる。 休日にまとめて購入しておくのもよい。
食生活は自炊中心に	毎日無理せずに休日のみの実施や作り置きの利用も検討を。
契約する電気やガス、通信会社、保険の内容などを見直してみる	特に通信会社の見直しが効果的。電気やガスも使い心地に変化が少なくおすすめ。
キャッシュレス決済を積極的に利用してポイントを貯める	平均1％前後のポイント還元が狙える。

※筆者作成
 
上記のうち、保険やガスなどの見直しは、一度行えば当面の間はそのままでも問題ないため早期の取り組みをおすすめします。キャッシュレス決済も、最初にクレジットカードの発行や決済アプリの導入などをしてしまえば、あとは日々それを使って支払うだけなので、さほど手間もかかりません。
 
通信会社の見直しも効果としては強力で、大手キャリアから格安SIMと呼ばれる通信事業者に変更することで月々3000円や4000円といった大きな金額を節約することも可能です。
 
お金が貯まらない原因が支出にあるという方や、支出を減らすことでお金を貯めていきたいと考えている方、削減できる支出が多いという方においては節約に力を入れることがおすすめです。
 

残業の方が効率よくお金を貯められる可能性が高い

現在残業が少ない、まだまだ残業が可能であるという環境にある場合は残業をし、残業代を貯金するという方法でお金を貯めることもできます。
 
人によっては、下手に支出を削ったり節約のためライフスタイルを変え我慢したりするよりも、働いて収入を増やす方が少ない負担でお金を貯められることもあります。また、残業を頑張ることで仕事が評価されれば、昇進・昇給による収入アップも狙うことができます。
 
例えば、現在残業なしで月収24万円という方の場合、1時間残業した場合に得られるお金は1875円と想定できます。（時給1500円の月20日勤務で計算）
 
毎日1時間ずつ残業すれば月に3万7500円と、4万円近く収入を増やすことができます。これらを丸々貯金すれば、年間で45万円ものお金を貯めることができます。
 
ただし、無理に残業するとその分節約が難しくなって出費が増えたり、疲労やストレスから浪費が増えたりして、結果的にお金が残らないということもありえます。仕事が苦ではない、まだまだ残業できる体力がある、これから仕事で結果を出して収入を増やしていきたいという場合は残業に力を入れるのもよいでしょう。
 

副業なども選択肢になりうる

残業や節約とは異なりますが、ポイ活や副業、金融商品からの配当を得るといった方法でもお金を貯めることができます。
 
【図表2】

実施内容	補足等
ポイ活	ポイントサイトを利用してポイントを貯めてそれを支出に充当する。
副業	自身で副業をして収入を増やす。副業以外のアルバイトでも可能。
金融商品の配当や優待	株式や投資信託などから得られる配当で収入を増やす。また、株式から得られる株主優待で生活費を浮かせる。

※筆者作成
 
例えば、「残業も節約も難しいが、自分のペースで行える副業でなら収入が増やせそう」、「不労所得である配当や株主優待で、残業と節約と合わせてより多くお金を貯めたい」といった場合は、残業や節約以外の自分に見合った方法でお金を貯めることも検討してみてください。
 

お金を貯めるなら、自分に適した方法で無理のない範囲にしましょう

節約と残業、どちらでもお金を貯めることはできますが、自分に合った方に力を入れることで、より無理なく効率的にお金を貯めることができます。しかし、どちらかだけに力を入れすぎても上手くいかないこともあります。
 
お金を貯めたいと思ったら節約と残業、両方を可能な範囲で実施するとともに可能な範囲で副業や配当など他の方法も試してみてください。
 
執筆者：柘植輝
行政書士