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国立大学と私立大学の「授業料」はどう推移している?昔は今じゃ考えられないくらい安すぎるって本当?

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月16日 10時20分

国立大学と私立大学の「授業料」はどう推移している?昔は今じゃ考えられないくらい安すぎるって本当?

子育て費用において、最も大きいであろう支出に、大学の学費があります。今と昔では物価が違うとはよく言われますが、学費も例外ではありません。   そこで今回は、国立大学と私立大学の授業料の推移を確認していきます。

大学の授業料は年々増加している

大学の授業料は年々増加の一途をたどっています。国立大学では、昭和50年において3万6000円だった授業料は、平成17年以降には53万5800円と15倍以上にもなっています。
 
公立大学の場合、昭和50年に2万7847円だったものが、令和3年度には53万6363円と20倍近い金額になっています。そして、私立大学の場合、昭和50年においては18万2677円だったものが、令和3年には93万943円とおよそ5倍になっています。学校区分によって差はあれど、大学の授業料は確実に値上がりしていることがよく分かります。
 
特に国公立大学では10倍から15倍と、その値上がり幅が驚異的です。私立大学は元々の学費が高いだけあって値上がり幅は5倍程度にとどまっていますが、学費はおよそ93万円と国公立大学の2倍近くの学費となっています。
 
【図表1】


 
出典:文部科学省 (参考2)国公私立大学の授業料等の推移
 
これを知ると、現在子どもの学費を払っている親や、奨学金で賄っているという学生本人にとっては「昔の学費は安すぎない!? 」と驚くことでしょう。特に、私立大学に通い年間100万円以上の学費を支払っている世帯においては、学費の推移についてより強く驚いたことと思います。
 

その間の給与はどう推移した?

次に、家計における学費の負担がどれくらい重くなっているのか、給与の伸びという観点から確認していきましょう。
 
昭和57年分における平均給与は319万7000円でした。
 
【図表2】


 
出典:国税庁 平均給与
 
それが、令和3年度において、平均給与は443万3000円となっています。
 
【図表3】

 
出典:国税庁 令和3年分民間給与実態統計調査
 
昭和57年から令和3年までで大学の学費は2倍以上になっているものの、給与の伸び率は1.4倍程度にとどまっています。
 
さらには物価も当時とは異なっています。10年前、20年前と比べてもさまざまな物やサービスの値段が上がってきています。現在の大学の学費、そして現在の給与額、物価なども踏まえて考えると、家計における大学の学費については、金額以上に年々重みを増していると考えられるでしょう。
 

高騰する学費をどう捻出するか

年々高騰する学費に対してそれをどう捻出していくかは、多くの子育て世帯においての課題といっても過言ではないでしょう。それを表すように、奨学金の利用者率は年々増加してきています。
 
具体的には、平成16年度は昼間部の大学生における奨学金の受給率は41.1%でした。
 
【図表4】


 
出典:独立行政法人日本学生支援機構 「平成16年度学生生活調査」結果の概要
 
それが、直近では48%前後を推移しています。特に令和2年度においては49.6%とほぼ半数の学生が奨学金を受給しています。
 
【図表5】

 
出典:独立行政法人日本学生支援機構 令和2年度学生生活調査
 
ここから、多くの世帯は奨学金を利用して、子どもの大学の学費を確保していると考えられます。また、それ以外にも、大学無償化制度や教育ローンの他、つみたてNISAなどを利用した資産運用で学費を確保するという世帯も今後は増えていきそうです。
 
いずれにせよ、子どもの大学にかかる学費は、無理に貯金や日々の収入から賄うと考えるのでなく、その他の制度を利用することも視野に入れるべきでしょう。
 

大学の学費は年々上昇傾向にある

大学の授業料を含めた学費は国立私立共に年々上昇しており、昭和50年代と比べると、私立なら5倍、国公立大学は10倍から15倍となっています。奨学金を利用する学生が増加していることからも、多くの世帯において大学の学費が重くのしかかっているようです。
 
今の大学の学費は、昔からは考えられないほど高額になっています。大学の学費を家計から捻出することが難しいと感じる場合は、奨学金などの制度を利用するようにしましょう。。
 

出典

文部科学省 (参考2)国公私立大学の授業料等の推移
国税庁 平均給与
国税庁 令和3年分民間給与実態統計調査
独立行政法人日本学生支援機構 「平成16年度学生生活調査」結果の概要
独立行政法人日本学生支援機構 令和2年度学生生活調査
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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