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バイト先で「レジのお金が合わなかったら自腹ね」と言われています…こういうのって「違法」じゃないんですか?

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月17日 10時10分

バイト先で「レジのお金が合わなかったら自腹ね」と言われています…こういうのって「違法」じゃないんですか?

スーパーやコンビニなどでレジの集計をした際に違算が発生するのは時折見かける光景です。店舗によってはその不足金を従業員に自腹で払わせるルールにしているところもあるようですが、違法ではないのかと思う人も多いでしょう。   本記事では、店舗が従業員に不足金を押し付けるのは正しい対応かどうかをまず考え、店舗側に発生するリスクについても解説をしていきます。

従業員にレジの不足金を押し付けるのは正しい対応なのか?

レジの不足金が発生する主な原因として、レジの打ち間違いやお金の受け渡しのミスなど、従業員の不注意があげられます。従業員が起こしたミスを従業員自身で償ってもらうのは一見筋が通っているようにも思えるかもしれませんが、それは間違いです。
 
業務で起こる恐れがある損害を従業員だけに押し付けるのは不公平というのが最高裁の基本的な考え方となっています。損害は従業員と店舗側の両方で背負うべきものなのです。
 
違算の原因が従業員の不注意だったとしても、店舗側にもなんらかの責任があることがほとんどです。例えば、店舗側が自動的にお金の数量や種類を読み取る高性能なレジを導入していたり、違算を複数のメンバーでクロスチェックする体制を整えたりしていれば、違算が発生する確率は大幅に減らせたはずです。
 
レジのお金を抜き取るなど従業員が故意に発生させた損害でなければ、従業員だけが全額弁償するケースはまず許されません。
 

レジの不足金を従業員に自腹で払わせるリスク


 
レジの不足金を従業員に自腹で支払わせる行為は店舗側にとってさまざまなリスクを発生させます。金銭的な負担はもちろんですが、従業員のやる気を失わせることも大きなリスクです。自腹を切ってレジのお金を穴埋めするのは、たとえ額が小さいとしても違和感を覚える人がほとんどでしょう。
 
自腹を切るルールを設定した会社や上司に対して不満を抱き仕事を辞めてしまう人もいるかもしれません。不本意な仕組みが当たり前になっている店舗は人手不足になるリスクが高くなります。
 
また、インターネットやSNSで情報の拡散も容易な時代なので、最悪のケースでは従業員にブラックな店舗として情報を広められ、炎上するリスクもあるでしょう。一度悪いうわさが立ってしまうと求人や集客面での苦戦は避けられません。
 
レジの不足金を従業員に無理やり支払わせるのは違法行為といっても過言ではありません。あまりに理不尽な内容であれば、従業員から訴えられる可能性もゼロではないでしょう。「レジの不足金ぐらいで大げさな」と思う人がいるかもしれませんが、訴訟の費用に不安がある人のために裁判費用の立て替えなどを行う「法律扶助」に関する制度があります。
 
日本司法支援センターと呼ばれる機関から、法律相談、弁護士の紹介、裁判費用の立て替えなど手厚いフォローが受けられます。従業員がアルバイトであったとしても訴訟を起こすことは十分にできるのです。
 

レジの不足金を従業員が全額支払う必要はないと心得よう

レジの違算はどちらかというと、店舗側の責任が大きいことがほとんどです。店舗側は違算を従業員に請求する前に、違算を出さないための仕組みを整える必要があります。違算を全額、従業員に支払わせる行為は間違いであると認識しておきましょう。
 
店舗側が違算を従業員に請求するのはメリットよりもデメリットの方が大きいです。店舗側は従業員の自腹について正しい知識を持ち、適切な対応をすることが大切になります。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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