年金を「月20万円」受け取るためには年収が「700万円」以上必要!? 年収が足りない場合はどうすればいい?
ファイナンシャルフィールド / 2023年5月17日 10時10分
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仕事を引退した後の生活を考える上で欠かせない年金。老後の資金計画を立てる際、将来受け取りたい年金額はいくらか考え、そのために現役時代どれくらいの収入を得るべきか知っておく必要があります。 本記事では、毎月年金を20万円受け取るために、現役時代どれくらいの年収が必要になるのか、年収が少なくても20万円もらうための工夫についても紹介しています。
毎月年金を20万円もらうために必要な年収は?
会社員や公務員などは、国民年金から支給される「老齢基礎年金」と、厚生年金から支給される「老齢厚生年金」を受け取ることができます。
まず、40年間もれなく保険料を納付した場合、受け取れる老齢基礎年金は月6万6250円(満額)です。そのため、年金を月20万円受け取るためには、残りの13万3750円を老齢厚生年金でまかなう必要があると分かります。
老齢厚生年金は、現役時代の収入が多ければ多いほど受け取る額が多くなる仕組みで、2003年4月以降に働き始めた人の場合、老齢年金額は以下の式で計算できます。
平均標準報酬額×0.005481×厚生年金に加入していた期間(月数)÷12=老齢厚生年金(月額)
厚生年金に加入していた期間を480ヶ月(40年)、受け取りたい老齢厚生年金額を13万3750円として式に当てはめると、平均標準報酬額は約61万円。これに12を掛けると732万円です。よって、毎月年金を20万円受け取るためには、現役時代700万円以上の収入を得る必要があると分かります。
自営業の場合、年金月20万円は難しい
年金を月20万円以上受け取るには年収700万円以上必要とお伝えしましたが、これは厚生年金に加入する会社員の話です。国民年金のみ加入の自営業の場合、700万円以上の年収があっても、年金を20万円受け取るのは困難です。
自営業には「老齢厚生年金」がないため、老齢基礎年金は満額が月6万6250円で、収入が多ければ多いほど受け取る額が多くなる、というものではありません。月6万6250円のみで生活するのはあまり現実的ではありませんから、老齢基礎年金以外の老後資金についても考えておくべきでしょう。
年収が少なくても年金を月20万円もらう方法は?
会社員の場合、年金を月20万円もらうためには700万円以上の年収が必要と分かりました。「そう言われても、収入を増やすのはなかなか難しい」と思う方もいるのではないでしょうか。ここからは、年収が700万円に満たない場合でも年金を月20万円もらえる方法はあるのか、解説していきます。
夫婦2人などの世帯で年金20万円は可能
夫婦単位で考えると、年収が700万円に満たなくても毎月20万円の年金をもらえる場合があります。本人だけではなく、扶養している配偶者が会社員などとして厚生年金に加入していたり、専業主婦(夫)として第3号被保険者であったりする場合、その分の年金を受け取ることができるためです。
本人と配偶者がそれぞれ老齢基礎年金を満額受け取るとすると、その金額は6万6250円×2=13万2500円。年金を月20万円受け取るためには、残りの6万7500円を老齢厚生年金でまかなう必要があります。
先ほど「毎月年金を20万円もらうために必要な年収は?」の見出しで紹介した式に当てはめて計算すると、老齢厚生年金を月6万7500円受給するために必要な平均標準報酬額は、約31万円。つまり、年収372万円ほどあれば、夫婦で毎月年金20万円を受け取ることができるという計算になります。
繰下げ受給を活用する
年金の受給時期を遅らせる繰下げ受給制度を利用すると、受け取る年金額を増やすことができます。1ヶ月繰り下げるごとに0.7%増額される仕組みです。最大で75歳まで繰り下げることができ、その場合にもらえる年金額は、65歳から受給する場合と比べて84%増えます。
例えば、通常であれば年金を月11万円しか受け取れない方も、支給開始時期を75歳まで繰り下げることによって、月20万2400円受け取れるようになります。
まとめ
老後に毎月20万円の年金を受け取るには、現役時代に700万円を超える年収が必要です。月20万円受け取りたいと考えているものの、年収が700万円に満たない方は、現役時代から貯蓄や投資、副業を行ったり、繰下げ受給を利用したりするのもおすすめです。
出典
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
日本年金機構 年金の繰下げ受給
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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