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老人ホームは「年金だけ」で入居可能?「費用」や「入居要件」も解説

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月17日 10時0分

老人ホームは「年金だけ」で入居可能?「費用」や「入居要件」も解説

少子高齢化が叫ばれている現在、介護の費用などが気になる人は多いのではないでしょうか。親や自身に介護の必要性を感じるなど、タイミングは人それぞれでしょう。   親の場合でも自身の場合でも、老人ホームの費用は抑えたいものです。可能ならば、年金のみで入居できれば幸いと思われる人もいるでしょう。本記事では、そんな皆さまの役に立つ、年金のみで入居できる老人ホームについて解説します。

老人ホームの費用はどのくらいかかる?

仮に、自身または親が老人ホームに入居となると、費用はどのくらいかかるか気になるものです。ここでは、民間施設の場合と公的施設の場合の相場を比べてみます。
 

「民間施設」の場合

民間施設は種類が豊富なので、費用もそれぞれです。入居条件は要介護認定から自立した生活を送れる人までと幅広いです。
 
図表1は、サービス付き高齢者住宅の費用負担です。平均利用額、家賃は以下のとおりです。
 

●平均利用料金の総額:約14万円
●家賃:平均6万円

 
図表1は、家賃・共益費・基本サービス相当費・食費・光水熱費を月額換算しています。
 
図表1
 

負担額 割合(%)
10万円未満 13.3
10万円~12万円未満 20.7
12万円~14万円未満 23.1
14万円~16万円未満 17.6
16万円~18万円未満 11.5
18万円~20万円未満 7.1
20万円~25万円未満 5.2
25万円~30万円未満 0.6
30万円以上 0.8

 
厚生労働省 サービス付き高齢者向け住宅等の月額利用料金を基に作成
 

「公的施設」の場合

公的施設は民間よりも費用が安めです。そのため、各自治体で競争率が高い傾向です。
 
介護や医療ケアが必要な人が対象なので、入居対象は要介護者に限られます。特別養護老人ホームは介護度により費用が異なります。図表2をご確認ください。
 
図表2
 

従来型個室 多床室 ユニット型個室 ユニット型個室的多床室
要介護1 9万5670円 8万6190円 12万3090円 11万2950円
要介護2 9万7710円 8万8230円 12万5130円 11万4990円
要介護3 9万9840円 9万360円 12万7320円 11万7180円
要介護4 10万1880円 9万2400円 12万9390円 11万9250円
要介護5 10万3890円 9万4410円 13万1400円 12万1260円

 
厚生労働省 サービスにかかる利用料を基に作成
 

年金だけで老人ホームの利用はできる?

年金のみで利用できる老人ホームもあります。ただし、そうした価格が安めの施設は選び方にポイントがあるものです。
 
ここでは年金のみで利用できる施設選びのポイントを中心に紹介します。
 

低価格の施設は全国にある

利用料金が安めの施設は探してみると日本全国にあります。どちらかというと、地方に多い傾向です。
 
ただし、探す前に受け取ることができる年金額を確認しておきたいものです。2021年度の場合について、図表3にあげました。
 
図表3
 

厚生年金 国民年金
2021年度 14万3965円 5万6368円

 
厚生労働省 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況を基に作成
 
国民年金で見ると、約6万円以下で利用できる施設がよいです。
 

駅から離れた施設は安めの設定

住宅と同じように都会で利便性の高い駅チカは費用が高めです。安いところは、都会より地方、駅付近より駅から離れた場所です。
 
特に地方に目を向けることをおすすめします。地方であれば、都会と同じサービスでも費用が安いです。車があれば、行きやすい場所もあります。
 

築年数の古い施設も費用が安い

こちらも住宅と同じで、築年数の古い施設のほうが安くなります。
 
また、築年数が古くてもきれいに使っている、掃除が行き届いている施設ならば、気持ちよく利用できます。見学に行って、どんな感じなのか確かめてみましょう。
 

個室ではなく多床室ならば費用が安め

個室にこだわりがなければ、多床室が費用面ではおすすめです。集団生活に抵抗がなければ、多床室で費用をおさえることも可能です。ただし、見学に行って、どのような様子か確かめたほうが安心です。
 

年金のみでは無理な場合

約22万円が標準世帯モデルの年金平均受給額と試算されています。しかし、上記で紹介した通り、老人ホームの費用は安くないケースも多いです。利用平均値は約15万円です。
 
仮に年金のみで入れるホームが見つからなかった場合のことを考えてみます。
 

生活保護を受給

生活保護の受給も選択肢の1つです。生活保護を受けている人が入ることができる老人ホームも増えています。ただし、老人ホームの居住費が生活保護の住宅扶助内という条件があります。これを満たしているかどうか、施設で相談してみましょう。
 

在宅介護

介護サービスを受けながらの在宅介護も選択できます。
 
介護度によりますが、訪問介護サービス、デイサービス、ショートステイなどを受けることも可能です。これらのサービスはケアプランによって受けられます。まずはケアマネージャーに相談してみましょう。
 

まとめ

年金のみで入居できる老人ホームは、都会より地方の駅から離れた場所、年数のたっている施設が多いです。また、個室よりも多床室の方が費用をおさえられます。これらの条件を考えて探してみましょう。もしも、探すのが大変な場合は、生活保護を受けて入れる施設を探す、介護サービスを受けながら在宅介護にするのも1つの選択肢です。
 

出典

厚生労働省 介護報酬の算定構造

厚生労働省 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況

厚生労働省 サービスにかかる利用料

厚生労働省 サービス付き高齢者向け住宅等 の月額利用料金

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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