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「高校無償化」の対象になる世帯の年収は?「公立」「私立」それぞれ解説

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月18日 10時10分

「高校無償化」の対象になる世帯の年収は?「公立」「私立」それぞれ解説

高校生になる子どもがいるため、入学に備え無償化について詳しく知りたいと考える人も多いのではないでしょうか? 高校入学時は入学費用や授業料など、さまざまな費用が必要です。全額負担するとなると大きな支出となるため、家計を圧迫してしまいます。   ここでは、高校無償化の対象について公立・私立別に詳しく解説します。無償化となった授業料はどのようにして補てんされるのかも見ていきましょう。

高校無償化の対象は?

高校無償化は、在学時にかかる授業料が無償化される制度です。公立高校は全額無償化となる範囲が幅広いものの、私立高校は所得に応じて支給額が変わるため、完全無償化になるかは所得で異なります。それぞれの無償化対象について詳しく見ていきましょう。
 

「公立高校」の場合

公立高校の授業料無償化の対象は、夫婦2人が働いているか、どちらか一方のみが働いているかなどによって異なります。夫婦2人が働いている場合は約1090万円、どちらか一方のみが働いている場合は約960万円までの年収がある人が無償化対象となります。
 
例えば、夫婦2人が働いている高校生の子ども1人世帯の場合は、約660万円までの所得世帯が39万6000円、約661~1030万円の年収世帯は11万8800円の支給です。どちらか一方のみが働いている子ども1人世帯の場合は約590万円までの年収世帯が39万6000円、約591~910万円の所得世帯が11万8800円の支給となります。
 
月換算すると39万6000円の場合は3万3000円、11万8800円の場合は9900円です。公立高校の授業料は年間11万8800円となっていますので、目安年収が約1030万円以内に収まれば授業料は無償化になると考えておきましょう。
 

「私立高校」の場合

私立高校の授業料は令和2年4月から制度内容が変更され、内容が手厚くなっています。授業料は高校別に設定されているため、必ずしも無償化となるわけではありません。制度変更によって上限の39万6000円を受け取れる世帯が増えたため、負担は軽減されるでしょう。
 
文部科学省が発表した令和4年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果によると、私立高校初年度に納めた授業料の平均額は44万5174円となっています。
 
年収590万円未満の世帯は39万6000円の受け取りが可能です。591万円からの世帯は11万8800円の支給となります。591万円からの世帯は32万6374円を補てんしなければならないものの、590万円未満の世帯は4万9174円の補てんで済みます。
 
私立高校も公立高校同様、両親2人が働いているか、もう一方のみが働いているかなどによって対象となるかが変わります。子どもの人数や年齢によっても異なるため、自身の世帯状況が支給金額のどちらに該当するかを確認してください。
 

無償化に伴うデメリット

高校無償化によって多くの世帯の家計負担を減らせるものの、財源確保という大きな問題を抱えています。財源は消費税率引き上げによって賄う形でスタートした制度であり、今後財源が厳しくなった場合は増税の可能性も出てきます。
 
学費に関する問題は子育て世帯のみ影響を受けますが、消費税増税は日本国民すべてに負担がかかるものです。高校無償化を維持するために、今後どのようにして財源を管理していくかが課題となるでしょう。
 

まとめ

高校無償化によって、家庭の経済状況を問わず進学のしやすい状況となりました。私立高校は一定額の補てんが必要なものの、公立高校は多くの世帯が無償で高校に通えます。
 
支給額は所得額に応じて変わるため、目安年収からチェックしてみてください。支給対象となる場合は、進学先の選択肢がさらに広がります。経済的な理由によって進学を諦めていた人も、制度を活用して学びたいことを学べる可能性が高まるでしょう。
 

出典

文部科学省 高等学校等就学支援金手続きリーフレット

文部科学省 高等学校等就学支援金制度 年収目安

文部科学省 私立高等学校授業料実質無償化リーフレット

文部科学省 令和4年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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