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専業主婦で子どもは3人。もし私に何かあれば家族は「遺族年金」を受け取れますか?

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月18日 4時10分

専業主婦で子どもは3人。もし私に何かあれば家族は「遺族年金」を受け取れますか?

遺族年金というと、一家の大黒柱が亡くなって収入の途絶えた一家を支えるためのもの、というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。実は、収入のない主婦・主夫が亡くなったときも家族に遺族年金が支給される場合があります。   本記事では、遺族年金の受け取り要件と、専業主婦が亡くなった場合でも家族が遺族年金を受給できる場合について解説します。

専業主婦が亡くなると意外な出費がある

専業主婦は収入がないことがほとんどです。しかし、亡くなった専業主婦が小さな子どもを自宅で保育していた場合、夫が仕事を続けるためには子どもを保育園に預ける必要があり、保育料が発生します。
 
また、家事の大半を専業主婦が担っていて、夫が家事に不慣れな場合、食事を外食やスーパーのお総菜に頼ったり、家事代行の外注サービスを利用したりすることになるでしょう。
 
このように、収入面では変化は少なくても、専業主婦が亡くなったことで支出が大きく増えて、家庭の経済的な負担が大きくなることが考えられるのです。
 

専業主婦が亡くなったときに支給される遺族年金

遺族年金には、国民年金の遺族基礎年金と、会社員や公務員などが加入している厚生年金の遺族厚生年金があり、それぞれ遺族年金の受け取り条件や受け取り対象者が異なります。専業主婦が亡くなった場合はどうなるのでしょうか。
 
ここでは、未成年の子どもが3人いる専業主婦と会社員の夫の5人家族をモデルケースとしてシミュレーションしてみます。
 

遺族基礎年金の場合

遺族基礎年金は収入に関係なく誰もが加入している年金です。自身が年金保険料を納めていなくても、夫に扶養されている主婦は第3号被保険者で国民年金の加入者となり、遺族基礎年金を受け取ることができます。
 
遺族基礎年金を受け取ることができるのは、死亡した人によって生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」です。専業主婦が亡くなった場合、夫が「子のある配偶者」に該当するため、遺族年金を受け取ることができます。ただし、夫の年収が850万円未満でなければ受け取り要件から外れてしまうので、子がいるからといって一律で受け取れるわけではありません。
 
また、支給される年金額は、以下のように計算できます。
 
昭和31年以降に生まれた人の場合、老齢基礎年金に子の加算額を足したものが支給されます。また、子の加算額は1人目および2人目はそれぞれ22万8700円、3人目以降は1人につき7万6200円です。
 
つまり、今回の場合では「老齢基礎年金(79万5000円)+子の加算額(22万8700円+22万8700円+7万6200円)」=132万8600円が、1年間で受け取ることができる遺族基礎年金額となるのです。
 

遺族厚生年金が支給されることも

死亡時に専業主婦であっても、過去に会社員や公務員などとして勤務しており、厚生年金の加入者であった場合、遺族厚生年金を受給できることもあります。ただし、遺族厚生年金の保険料納付済み期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が25年(300ヶ月)以上あることが必要です。
 
また遺族厚生年金の支給対象者が夫の場合、配偶者が亡くなったときに夫が55歳以上である場合に限られ、かつ、支給開始は60歳になってからとなります。ただし、夫が55歳未満の場合でも、遺族基礎年金の受給中は、子に対して遺族厚生年金が支払われます。
 
つまり、今回の場合では遺族基礎年金の受給要件にあてはまるため、子どもが遺族厚生年金を受給できるということになります。
 

専業主婦が亡くなったときも遺族年金は支給される

一家の大黒柱はもちろん、収入のない専業主婦が亡くなった場合でも、残された家族には経済的な負担がかかります。遺族年金はそんな家族の生活を支える大切な公的制度です。
 
ただし、年金は請求手続きをしないと受け取ることができませんので、万一のときは受け取り要件を確認して、早めに手続きをするようにしましょう。
 

出典

日本年金機構 遺族年金
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 さ行 生計維持
 
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

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