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平成30年から3年間で廃校数は「999校」に!「地方自治体×事業者」による廃校活用事例を紹介

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月18日 10時30分

平成30年から3年間で廃校数は「999校」に!「地方自治体×事業者」による廃校活用事例を紹介

少子化にともなう児童生徒数の減少により、増え続ける「廃校」。   文部科学省が実施した「廃校施設等活用状況実態調査」では、平成30年度から令和2年度までの間に発生した廃校は999校、平成14年度から令和2年度までの廃校の延べ数は8580校にのぼることが明らかにされています。   このうち、校舎が現存している施設は7398校。   これらの廃校施設を生かすため、現在、文部科学省主導のもと、地方公共団体と事業者とをマッチングさせ、廃校施設の利用につなげる取り組み 「~未来につなごう~みんなの廃校プロジェクト」が実施されています。   本記事では、「~未来につなごう~みんなの廃校プロジェクト」の概要や、廃校施設の活用にあたって利用できる補助金制度、補助金を利用した実際の廃校活用事例をご紹介します。

【廃校活用】「~未来につなごう~みんなの廃校プロジェクト」とは?

「~未来につなごう~みんなの廃校プロジェクト」は、廃校を「使ってほしい」地方公共団体と、廃校を「使いたい」事業者などへの情報発信やマッチングを行う、文部科学省の廃校活用推進活動です。
 

●廃校活用に至った経緯や、改修コストなどの情報を含む廃校活用事例集
●活用用途を募集している廃校施設情報
●廃校活用に利用可能な各省庁の支援制度

 
これらの情報を、文部科学省の公式ホームページで公表しているほか、活用を希望する廃校をPRするためのイベントを開催しています。
 

廃校活用のメリット

廃校活用の主なメリットとして挙げられているのは、以下の三つ。
 

●立地・建物特性に係るメリット:まとまったスペース、仕切られた空間、静かな環境など
●既存施設活用に係るメリット:既存施設を使うことによる早期事業着手やコストダウン
●元学校ならではのメリット:話題性やメディアからの注目、地域に根差した活動

 
教室ごとに区切られた構造は使い勝手がよく、「廃校を利用した」という話題性の大きさは、事業のアピール要素にもなり得ます。
 

廃校施設の活用にあたり利用可能な補助金制度

廃校施設を用途に即した施設に生まれ変わらせるためには、膨大な改修費用が必要です。
 
そこで活用したいのが、各省庁による補助金制度です。
 
令和5年4月時点で「廃校活用にあたって利用可能な主な国庫補助制度」として、20ほどの支援制度が施行されています。
 
ここでは、一部の補助制度をご紹介します。
 

●地域スポーツ施設整備助成(スポーツ庁):グラウンドの芝生化やスポーツ競技施設等の整備など、事業に対する助成
 
●次世代育成支援対策施設整備交付金(こども家庭庁):児童福祉施設等の新設、修理、改造、拡張または整備に要する経費の一部に充てるために、国が交付する交付金
 
●社会福祉施設等施設整備費補助金(厚生労働省):障害のある人や児童などの福祉を向上させるために、社会福祉法人などが施設を整備する費用の一部を、国と都道府県が補助する制度
 
●デジタル田園都市国家構想交付金(内閣府):デジタルを活用した地域の課題解決や魅力向上を支援するための自治体の取り組みを、国が支援する制度

 
各制度の交付額は、書類審査によって決定されるため、明確な金額は明記されていません。
 

【廃校活用事例】補助金制度を利用して生まれ変わった廃校施設

「~未来につなごう~みんなの廃校プロジェクト」では、廃校施設が実際にどのように利用されているのかを「廃校活用事例集」として資料にまとめ、ホームページ上で公開しています。
 
ここでは、全国各地の廃校活用事例の中から、補助金制度を活用した事例を四つピックアップして、改修費用の内訳と、利用した補助金制度の種類をご紹介します。
 

【事例1】新潟県長岡市 旧島田小学校→障害福祉サービス事業所

●改修費用:総額約2億3500万円(事業者負担額:約1億8000万円 補助金額:約5500万円)
●活用した補助金制度:社会福祉施設等施設整備費補助金(厚生労働省)
 

【事例2】秋田県由利本荘市 旧鮎川小学校→木のおもちゃ館

●改修費用:総額約2億4000万円(自治体負担額:約1億7000万円 補助金額:約7000万円)
●活用した補助金制度:文化財建造物等活用地域活性化事業費補助金(文化庁)、国宝重要文化財等保存整備費補助金(文化庁)
 

【事例3】静岡県島田市 旧湯日小学校→グランピング施設

●改修費用:総額約4億600万円(自治体負担額:約600万円 事業者負担額:約3億7600万円 補助金額:約2400万円)
●活用した補助金制度:地方創生テレワーク交付金(内閣府)、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(内閣府)
 

【事例4】愛知県新城市 旧菅守小学校→レストラン

●改修費用:総額約146万円(全額補助金)
●活用した補助金制度:都市農村共生・対流総合対策交付金(農林水産省)
 
廃校の活用方法は、社会福祉施設や博物館、アウトドア施設などさまざまです。
 
数億単位の改修工事費に対し、数千万円を補助金でまかなっている事例や、少しの手直しを全額補助金でまかなっている事例など、補助金の種類や金額も大きく異なります。
 
このほか、映画・テレビ・CM撮影などのロケ地として活用されている、埼玉県小鹿野町の旧三田川中学校のように、校舎をそのまま再利用することで、改修費用0円で活用されている廃校もあります。
 

【廃校施設活用問題】地方自治体と事業者のマッチングや補助金制度が解決の糸口に!

現在、現存する7398校の廃校のうち、74.1%にあたる5481校が、事業や地域活性化のために活用されています。
 
その中には、ご紹介した「~未来につなごう~みんなの廃校プロジェクト」の「廃校活用事例集」にもあるように、補助金制度を利用して、大幅な改修工事を行った事例も多数あります。
 
学校の統廃合が進む今、「~未来につなごう~みんなの廃校プロジェクト」や各省庁の補助金制度が、廃校施設の活用問題に与える影響は、今後ますます大きくなっていくでしょう。
 

出典

文部科学省 「廃校施設等活用状況実態調査、余裕教室活用状況実態調査について」 令和3年度 公立小中学校等における廃校施設及び余裕教室の活用状況について

文部科学省 ~未来につなごう~みんなの廃校プロジェクト

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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