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年金保険料の支払いが「65歳」まで延長になると、負担は「99万円」増える!? 年金受給額・保険料を確認

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月18日 10時30分

年金保険料の支払いが「65歳」まで延長になると、負担は「99万円」増える!? 年金受給額・保険料を確認

国民年金の保険料は、20~60歳までの40年間支払わなければなりません。そして、基本的には65歳以降、支払った期間に応じた金額が老齢基礎年金として受給可能です。   現在は60歳までの保険料支払いですが、65歳まで延長することが議論されています。本記事では、国民年金保険料の負担が65歳まで延長された場合、保険料負担や将来受け取る年金額について解説します。

「65歳まで保険料負担が延長」とはどういう意味か

日本に住む20~60歳の人は国民年金に加入する義務があります。そのため、最低でも60歳までの40年間、年金保険料を支払う必要があります。
 
65歳まで保険料負担が延長とは、この国民年金に加入すべき期間が20~65歳までになることを指し、その場合、保険料納付期間は45年間です。加入期間が5年長くなるということは、支払う保険料が5年分増えるとともに、支払った分の年金受給額が増えると考えられます。
 

国民年金の現状について

国民年金の保険料は、2023年度では月額1万6520円です。また、国民年金に加入し、受給資格期間を満たしている場合、65歳以降は老齢基礎年金として満額で79万5000円を毎年受け取れます。
 
「満額」とは、20~60歳までの計40年間すべての期間保険料を支払った場合に受け取れる金額で、支払っていない期間があれば、その分年金額は減少します。
 
なお、60歳時点で受給資格期間を満たせない人や、「満額」に近づけたい人は、60~65歳の間にも「任意加入制度」を利用して国民年金の保険料を支払うことは可能です。
 
しかし、昨今議論され、また、国民年金の加入が65歳までになった場合は、任意加入制度ではなく、国民年金の加入者が一律で65歳まで強制的に国民年金に加入するようになった場合を指します。
 

国民年金の加入が65歳までになったときの保険料負担と年金受給額

国民年金の加入が65歳までになった場合、保険料も5年間追加で支払わなければなりません。つまり、月額1万6520円の5年分(60ヶ月)で99万1200円です。
 
次に、60ヶ月追加で保険料を支払った場合に増える老齢基礎年金の金額を見ましょう。老齢基礎年金の計算方法は次のとおりです。
 
老齢基礎年金(年額)=79万5000円×保険料払込月数÷480ヶ月
 
1ヶ月分の保険料を支払うことで増える年金額は、「保険料払込月数」を1ヶ月とした場合の金額なので、約1656円です。そのため、60ヶ月支払った場合、1656円の60ヶ月分で、9万9360円増えます。
 
つまり、65歳まで保険料を支払った場合、老齢基礎年金の満額は、現在の79万5000円に9万9360円を加えた89万4360円です。ここまでの話をまとめると、65歳まで国民年金に強制加入となった場合の変更点は次のとおりです。


・保険料の支払額は合計で99万1200円増加
・毎年受け取れる年金額が9万9360円増加

そのため、単純計算では保険料で支払った99万1200円も10年ほど年金を受け取れば、元が取れます。
 

まとめ

今回のシミュレーションは、あくまでも現状の制度において行ったもので、具体的には何も決まっていません。
 
決定した場合、将来の受給額が増えるというメリットがありますが、余命によっては60歳以降の保険料が払い損になってしまうデメリットも考えられますので、今後の議論の方向に注意しておきましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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