一番コスパのよい年収は「600万円」! 高収入だと税金が引かれすぎて損をする!?
ファイナンシャルフィールド / 2023年5月19日 11時10分
近年、収入アップを目的として、転職や副業への関心が高まっています。 しかし、一般的には、年収が増えるとその分、引かれる税金も多くなってしまいます。 そのため、せっかく年収が上がっても、税金の額をみて、ショックを受けることも少なくありません。 なかには、いくら税金で引かれているのかを、把握していない人もいるのではないでしょうか? そこで今回は、年収と税金の関係をまとめました。 バランスがよく、一番お得な年収は、いくらなのでしょうか。 「年収アップを考えているが、税金が気になる」という人は、ぜひ最後までお読みください。
給与から引かれる税金の種類
まずは、税金についてみてみましょう。
毎月の給与から差し引かれるお金は、以下の通りです。
●所得税
●住民税(一律10%)
●社会保険料(健康保険・厚生年金保険・雇用保険・介護保険など)
上記のうち、所得税は累進課税制度が適応されるため、年収によって引かれる金額が変わります。
所得税の税率は、以下の通りです。
図表1
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1000~194万9000円 | 5% | 0円 |
195万~329万9000円 | 10% | 9万7500円 |
330万~694万9000円 | 20% | 42万7500円 |
695万~ 899万9000円 | 23% | 63万6000円 |
900万~1799万9000円 | 33% | 153万6000円 |
1800万~3999万9000円 | 40% | 279万6000円 |
4000万円以上 | 45% | 479万6000円 |
※国税庁「No.2260 所得税の税率」をもとに筆者作成
しかし、所得税額は、厳密には課税所得(給与から所得控除を引いた額)によって変わるため、所得控除が増えれば、必然的に課税所得が少なくなり、税負担を軽減できます。
ちなみに所得控除には、基礎控除・給与所得控除・医療費控除・配偶者控除などがあります。
受けられる所得控除をうまく活用して、課税所得を減らすことで、節税につながるでしょう。
手取りの目安は「年収×0.75~0.85」
人によって控除額は異なりますが、年収に対しての手取り額の目安は「年収×0.75~0.85」とされています。
例えば、年収500万円の場合、500×(0.75~0.85)=375万~425万円となります。
自分の年収から、いくら手元に残るのかを知りたい場合は、上記の計算式で確認してみましょう。
コスパのよい年収は約600万円!
先ほど、課税所得を減らすために、所得控除をうまく活用するとよいとお伝えしましたが、高収入になると、所得税が増えるだけではなく、利用できる所得控除が制限されてしまう可能性もあります。
制限される所得控除の一例は、以下の通りです。
●給与所得控除:850万1円以上の年収で、控除額の上限である195万円に達する
●配偶者控除:所得900万円超から控除額が減る
●児童手当制度:所得上限額を上回る収入がある家庭には、支給がなくなる
※子どもの人数によって、所得上限額は異なる
●基礎控除:所得2400万円超から控除額が減る
上記制限や税率を考慮すると、コスパのよい年収は約600万円といえるでしょう。
年収600万円の場合、課税所得の目安は300万円ほどになります(給与所得控除164万円+基礎控除48万円+社会保険料控除約90万円〔仮定〕)。
課税所得が300万円であれば、所得税率は10%の範囲です。
しかし、年収700万円になると、課税所得の目安が約360万円となり、所得税率が20%の範囲に上がります。
年収600万円であれば、所得税率を10%に抑えて、なおかつ各種控除も受けられます。
そのため、一番コスパがよい年収といえるでしょう。
ただし、社会保険料控除は人によって大きく異なります。
まずは、自分がどれだけの控除を受けられるのかを、正しく把握することが大切です。
年収アップを目指すなら600万円がおすすめ
日本には累進課税制度があるため、年収が上がれば上がるほど、所得税も高くなるシステムとなっています。
年収は高ければよいと思われがちですが、税金や各種所得控除を考慮すると、不利になってしまう可能性もあります。
コスパがよい年収は600万円とされているため、これから年収アップを目指す人は、ひとつの目安として参考にしてください。
出典
・国税庁 タックスアンサー 「No.2260 所得税の税率」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「年収1000万円」は得?損?現在「年収600万円」なのですが、年収が上がっても手取りが大きく増えないならこのままでよいのではと思います。
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月21日 23時30分
-
夫の年収600万円、私の年収が400万円で世帯年収が「1000万円」です。ふるさと納税で控除される上限額はいくらくらいでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月20日 23時30分
-
副業で月に3万円稼ぐと税金はいくら増えますか? 年収500万円会社員、税金があまりに増えるなら副業を減らそうと思います
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月17日 9時0分
-
片働き「年収800万円」だけど、税金が高くて生活がキツイ! 共働き「年収600万円+200万円」のほうが“手取り”は多い? それぞれをシミュレーション
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月15日 2時20分
-
扶養内を意識して働くひとにはメリットがない? 「103万円の壁」引き上げによる具体的な影響とは
MONEYPLUS / 2024年11月6日 18時0分
ランキング
-
1男女9000人超が答えた「好きな四字熟語」ランキング発表! 3位「明鏡止水」2位「初志貫徹」…圧倒的1位は?
オトナンサー / 2024年11月26日 21時10分
-
2全国で販売「カシューナッツ」に“鎮痛剤”混入…… 「深くお詫び」 3万5000袋回収、企業が謝罪
ねとらぼ / 2024年11月27日 8時0分
-
3ダイソーで販売「グミ」に回収命令……「深くお詫び」 使用不認可の着色料を使用、5万7000袋を回収
ねとらぼ / 2024年11月26日 18時1分
-
4ひざ痛の元凶「軟骨のすり減り」は50歳から始まる 「関節の衰え」を補うために有効な筋トレ法
東洋経済オンライン / 2024年11月27日 7時0分
-
5海軍機動部隊の要 なぜ大型空母「瑞鶴」は幸運艦に? 繰り広げた死闘の数々
乗りものニュース / 2024年11月27日 6時12分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください