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不妊治療にはどんな種類があるの? それぞれにかかる費用と特徴を紹介

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月20日 6時10分

不妊治療にはどんな種類があるの? それぞれにかかる費用と特徴を紹介

妊娠・出産を希望しているにもかかわらず、一定期間自然妊娠に至らない場合に、選択肢として考える不妊治療。近年では多くの方が不妊に悩まされており、不妊治療はそれほど珍しい医療行為ではなくなってきています。   そこで本記事では、不妊治療の種類やかかる費用について詳しく解説します。身体的にも経済的にも不安が大きい選択肢だからこそ、どのような治療になるのか、最後まで読んでぜひ知っておいてください。

不妊治療の選択

国立社会保障・人口問題研究所によると、不妊について心配したことがある夫婦の割合は、夫婦全体でみると39.2%(3組に1組以上)。実際に不妊の検査または治療経験がある夫婦の割合は、22.7%(4.4組に1組)にのぼります。
 
不妊治療は、身体的・経済的に負担の少ない治療方法から進めていくことが基本です。厚生労働省によると、令和4年4月から人工授精等の「一般不妊治療」、体外受精・顕微授精等の「生殖補助医療」について、保険適用されています。
 
特に治療費が高額になる「生殖補助医療」については、採卵から胚移植に至るまでの一連の診療がすべて保険適用され、先進医療に該当するものは、保険診療との併用も可能です。
 
また、令和3年1月以降、不妊治療に対する助成の対象幅が広がっています。妻の年齢が43歳未満の夫婦は、所得制限なしに1回30万円の助成金の受け取りが可能。1子ごとに6回まで(40歳以上43歳未満は3回まで)受け取れるので、経済的負担を軽減できます。
 

一般不妊治療

不妊治療を身体的・経済的に負担の少ない治療方法から進めていく上で、第1段階として選択するのが一般不妊治療です。どのような治療法でどれくらいの費用がかかるのかについて解説します。
 
なお、記載の治療費については、内閣府の調査に基づく、保険適用前の1回あたり平均金額です。
 

タイミング法

タイミング法は、排卵日の2日前頃から排卵日までに性交のタイミングを合わせる方法です。基礎体温や超音波、尿検査などにより排卵日を予測し、治療費は数千〜2万円程度となります。
 
一般的に、6回以上で妊娠しなければ別の方法の選択に移ります。
 

人工授精

人工授精は、採取した精液の中から動きのよい精子を選び、妊娠しやすいタイミングで子宮内に直接注入する方法です。タイミング法で妊娠しなかった次のステップで選択されることが多く、治療費は1〜3万円程度となります。
 
人工授精にのる妊娠成立までの流れは自然妊娠と同じで、妊娠する確率は1回あたり約10%です。
 

排卵誘発法

排卵誘発法は、卵巣を薬物で刺激して排卵を起こさせる治療法です。排卵誘発剤には内服薬と注射があり、治療費は数千〜2万円程度となります。
 
排卵誘発剤の注射では、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などの副作用が起こったり、多胎妊娠になる可能性が高くなったりします。
 

生殖補助医療(ART)

一般不妊治療で妊娠に至らなかった場合は、第2段階として生殖補助医療に進みます。
 
一般不妊治療と大きく異なるのは、卵巣から卵子を取り出すことです。卵子と精子を体外で受精させ、受精した受精卵を子宮に戻す流れとなります。掛け合わせる精子の数が人工授精と比べてはるかに多くなるため、受精率・妊娠率は格段に上がります。
 
ただし、一般不妊治療と比べて治療費が大きくかかるため、経済的負担を減らすためにも、国や自治体の制度を上手に活用していきましょう。
 

体外受精

体外受精は、採取した卵子と精子を同じ培養液の中で混ぜ合わせ、自然の力に任せて受精させます。治療費は20〜60万円程度かかります。
 
体外で受精させた受精卵は、周期内ですぐに子宮の中に移植するか、凍結保存して別の周期で解凍(融解)して子宮の中に移植することができます。
 

顕微授精(ICSI)

動きや形のよい精子を1つ選び、卵子の中に細い針で注入する方法です。治療費は30〜70万円程度かかります。
 
精子の数が少なかったり、動きが悪かったりすると、体外受精では受精できない可能性も高くなるため、顕微鏡で確認しながら実施されます。
 

まとめ

本記事では、不妊治療の種類やかかる費用について解説しました。多くの方が悩まされている不妊治療だからこそ、他人事と捉えず、事前の検査や早めの行動を大切にして行きましょう。
 

出典

国立社会保障・人口問題研究所 第16回出生動向基本調査
厚生労働省 不妊治療に対する助成の対象範囲が拡がりました
厚生労働省 令和4年4月から、不妊治療が保険適用されています。
内閣府 第3回 選択する未来2.0 参考資料
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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