【実録】ハンコは「お辞儀押し」!?「金融業界」独自の慣習はどのようなものがある?
ファイナンシャルフィールド / 2023年5月20日 10時20分
金融業界は古くから続いている業界の1つとしてあげられ、業務が進んでいく中でさまざまな慣習が生まれています。中には誰もが聞いたことがあるような慣習もあれば、金融業界に勤めていた人間にしか分からないような慣習まであります。近年の社会情勢を考えると意味がないと感じるようなものもありますが、あくまでも古くから続いている慣習として現在でも続いているものも少なくありません。 本記事では、金融業界での勤務経験の中で感じた慣習について解説するため、金融業界にどのような慣習があるか気になっている人は参考にしてみましょう。
稟議(りんぎ)書などのハンコはお辞儀押し
金融業界では融資などをおこなう際には「稟議書」を作成して、支店長や副支店長・上司などのハンコをもらう必要があります。稟議書では各担当者がハンコを押すための枠が決められており、基本的には左側に行くほど役職ポジションが高くなっている傾向にあります。このハンコを押す際に役職が下の者は左側に向けて角度をつけながら押して、役職者に対してお辞儀しているようにする必要があります。
お辞儀押しをしていなくても稟議書自体は問題なく処理されますが、金融機関や店舗によってはお辞儀押しをしていないと新しく書類を印刷して印鑑の押し直しが命じられる場合もあります。お辞儀押しをするかどうかは支店長や副支店長の性格によって異なり、まったく気にしない役職者もいれば、かなり気にしている役職者までさまざまです。
お辞儀押しは基本的には社内でやり取りする書類だけに導入されており、社外取引書類にはお辞儀押しをせずに、まっすぐに押すように命じられています。お辞儀押しは一般的なマナーとは異なっている方法としてあげられ、社外書類に対して押してしまうと誤解を与えてしまう可能性があるので押さないように指示されていました。
朝に店舗に入る際の順番が決められている
金融業界は数多くの店舗をかかえていますが、どこの店舗でもまとまったお金を店舗内で管理しているのでセキュリティ面では気を付けている場合が多いです。そのため、店舗に入れる時間帯が従業員であっても決まっているため、朝時間帯においては、店舗に入る際に在籍している従業員が集まってからセキュリティを解除する場合も少なくありません。この際に店舗に入る順番が決められていて、支店長の次は副支店長と役職者順に入っていきます。
休暇などでいない場合は順番が変更されますが、誰も休んでいない場合は入る順番が決められていて、暗黙の了解によって破ってはいけないとされています。また、若手銀行員は朝にすることがなくても早くに店舗に来るように命じられているため、始業時間の1時間以上前に店舗に到着して掃除などをしている人は多いです。金融業界は地域と一緒に成長していく目的もある点から、朝の掃除や地域活動などにも積極的な参加が命じられている傾向にあります。
まとめ
金融業界では古い慣習が残っている金融機関も多く、若手銀行員の中には古い体制についていけずに退職を申し出る場合も珍しくありません。しかし、近年では金融業界も古くからの慣習を取りやめて、時代の流れに合わせてさまざまな改革をしている金融機関も増えました。金融業界はいつの時代も就職活動の人気業界として注目されていますが、せっかく入社した有望な若手が退職しないように働きやすい環境に変化しています。
今回あげた金融機関の慣習はあくまでも一例であって、すべての金融機関で古くからの慣習が続けられているわけではありません。金融業界も時代の流れに合わせて、どうすれば長く働きやすいか、真剣に考えてくれている会社も多いです。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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