「月給30万」でも基本給が「14万円」はブラック!? 基本給が低いと「損」をするケースについて解説
ファイナンシャルフィールド / 2023年5月23日 10時10分
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基本給よりも手当が多い企業の場合、労働環境に問題があるかもしれません。特に、残業手当が多い会社では、長時間労働が当たり前になっている「ブラック企業」である可能性があります。また、長時間労働でなくても、基本給が低いと残業代やボーナスも少なくなる可能性があります。 本記事では、なぜ基本給が手当よりも少ないとブラック企業の可能性があるのかを解説します。
基本給を知ろう
基本給とは、給与のベースとなる賃金のことです。この基本給に「住宅手当」、「家族手当」、「残業手当」、「役職手当」などの各種手当を加えたものが総支給額になります。そして、総支給額から社会保険料や税金を差し引いて手元に残るのが手取り額です。
給与額のまさに「基本」となる基本給が、これから解説するボーナスや退職金にも大きく影響していきます。
基本給が低い場合の問題点
給与全体や手取り額が大きければ、基本給の額はあまり重要でないと感じる人もいるかもしれません。しかし、基本給が低いと、結局は損をしてしまう可能性が高いのです。
ここでは、基本給が低い場合にどのような問題が生じるかを説明します。
みなし残業が占める割合が高い
全体の給与額は一定額あるけれど、基本給が著しく少ない場合は、「みなし残業」の割合が高い可能性があります。みなし残業とは、最初から残業代が給与に含まれていることを指します。
例えば、ある月に20時間のみなし残業が設定されている場合、その20時間分の時間外労働に対しては残業手当が支払われないのです。
そうしたケースでよくある給与内訳は以下のようなものです。
基本給:16万円+固定残業手当8万円
基本給:16万円+みなし残業代8万円
ブラック企業は、残業代を節約するために、このような給与構造をしばしば採用します。そのために生じるデメリットとしては、次のようなことが考えられます。
ボーナスが安くなる
ボーナスは、「基本給」をベースに計算されるのが一般的です。
基本給が異なる2つのケースを見てみましょう。
総支給額:30万円(基本給25万円+役職手当7万円+残業代3万円)
ボーナスの算定方法:基本給の4ヶ月分
このケースでは、基本給の25万円をベースにして、4ヶ月分の100万円がボーナスになります。
総支給額:30万円(基本給14万円+役職手当6万円+みなし残業代10万円)
ボーナスの算定方法:基本給の4ヶ月分
基本給14万円をベースにするため、4ヶ月分の56万円がボーナスになります。
このように、同じ総支給額でも基本給が低ければ受け取れるボーナスも少なくなってしまうのです。
退職金が少なくなる
基本給が低いと、退職金も少なくなる傾向があります。多くの企業では、退職金制度において基本給を基にして退職金の額を決めています。例えば、「退職時の基本給をベースに勤続年数を加味して計算」といったケースです。このような状況下では、基本給が低いと退職金が大きく減少する可能性があります。
基本給が低い場合、搾取されている可能性がある
基本給とは、手当などを含まない、給与のベースとなる賃金のことです。基本給が低く設定されている場合、みなし残業の割合が高くなり、残業した対価分の報酬が支給されない可能性があります。
また、一般的にボーナスや退職金は基本給を基に計算されるため、基本給が低いとこれらの支給額も少なくなります。毎月の給与支給額が十分あると思っていても、基本給を低く抑えられている「隠れ搾取」されているかもしれません。
就職や転職を検討する際には、基本給がいくらなのかも判断基準にしてみるのも1つの選択肢と言えるでしょう。
執筆者:辻本剛士
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、宅地建物取引士、証券外務員2種
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