「年収の壁」は簡単に超えてしまう!?「103万~201万」の壁について解説
ファイナンシャルフィールド / 2023年5月23日 10時0分
年々、各県の最低賃金が上がっているため、同じ時間だけ働いても受け取る給料は多くなっています。給料が増えていくのはうれしいことですが、一方で配偶者の扶養に入っている人が一定の収入を得てしまうと税金面でさまざまな影響が出てきてしまいます。 本記事では、「103万円の壁」といった形で年収による影響を紹介していきます。
103万円の壁
収入が103万円を超えてしまうと、超えた額に対して所得税が発生してしまいます。パート等で得た収入は給与所得になりますが、すべてが課税対象になるわけではなく、「基礎控除」と「給与所得控除」の2つを差し引いた額が課税対象になります。
収入によって2つの金額は変わりますが、例えば、収入が103万円の場合は、基礎控除は48万円、給与所得控除は55万円になります。
加えて、配偶者にも影響があります。配偶者の扶養に入っている場合は、配偶者控除が適用されなくなってしまうため、配偶者の所得税の金額が上がってしまいます。
106万円、130万円の壁
収入が130万円を超えてしまうと、社会保険加入の義務が発生します。さらに、健康保険や年金保険料を自身で支払う必要も出てきます。社会保険料を支払うことで将来に受け取る年金が増えるメリットがありますが、支払う税金が増えて損してしまうと感じてしまうため、労働時間を少なくする人もいます。
場合によっては、130万円の壁が106万円の壁に変わってしまうことがあります。106万円の壁になってしまう条件として、次のようなものがあります。
・勤務先の従業員数が101人以上
・週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
・月額賃金が8.8万円以上
・2ヶ月を超える雇用の見込みがある
・学生ではない
現在は上記の条件になっていますが、2024年10月から勤務先の従業員数が51人以上に変更されます。したがって、106万円の壁になる人がより一層増えることが予想されます。
150万円の壁
収入が150万円を超えてしまうと、配偶者が受けられる控除額が減ってしまいます。150万円の壁は、配偶者特別控除という控除に関係してきます。
配偶者特別控除とは、配偶者に48万円を超える所得があることで配偶者控除が受けられない場合でも、配偶者の所得金額に応じて、一定金額の所得控除が受けることができる控除です。収入が103万円超え~150万円の場合は、最大で38万円の控除を受けることができます。
201万円の壁
収入が201万6000円を超えてしまうと、配偶者特別控除が受けられなくなってしまいます。150万円をこえた時点で段階的に控除額は減っていきますが、201万6000円を超えてしまうと、控除額が0円になってしまいます。
まとめ
本記事では、税金の負担が増えてしまう年収の壁を紹介しました。
税金と社会保険が混ざってしまっているため、もう一度整理します。103万円と150万円は「税金」の負担が増えてしまう境目です。103万円を超えると所得税が発生してしまいますが、103万円を超えた額に税率がかかるため、あまり気にしなくても良いでしょう。配偶者の会社で扶養手当が支給される場合は、103万円を超えてしまうと扶養手当が支給されなくなることがあるため、会社に確認をしてみましょう。
「社会保険料」を支払うことになる年収が106万円、130万円になります。社会保険料は自己負担額が多いため、130万円を超えてもいいかどうかは、しっかりと考える必要があります。パート等で収入が多くなると、自分だけでなく配偶者や家族にも影響してくるため、家族で話し合って、どのくらいの金額までの年収ならばいいのかを検討する必要があるでしょう。
出典
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト パート・アルバイトのみなさま
国税庁 No.1199 基礎控除
国税庁 No.1410 給与所得控除
国税庁 No.1191 配偶者控除
国税庁 No.1195 配偶者特別控除
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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