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亡くなった時に備えて書く遺言書、その種類と特徴は?

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月23日 23時10分

亡くなった時に備えて書く遺言書、その種類と特徴は?

亡くなった後の自身の財産のことなどについて、遺言を残しておきたいと考える人もいることでしょう。インターネット上で作成・保管でき、法的に有効となる「デジタル遺言」の制度化については、今後政府で議論されることとなっていますが、現行制度上の遺言書には種類があり、それぞれの特徴や注意点について取り上げます(2023年5月時点)。

遺言書は3種類

本人の最後の意思表示ともいうべき遺言は、その条件を満たすことでその効力を発します(【図表1】)。そして、【図表1】の(3)の要式について、一般的に用いられる普通方式遺言は、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があり、それぞれ異なる特徴があります。
 

 
民法の規定、最高裁判所の判例などをもとに作成
 

自筆証書遺言

自筆証書遺言はその内容の全文、日付、氏名を自書し、押印する遺言です(【図表2】)。
 

 
自筆証書遺言は、自分ひとりで作成できる反面、【図表2】の(1)~(4)を満たして、正確に書く必要があります。その要件を満たせていない場合は無効になってしまいます。
 
また、偽造、改ざんされるリスクが残っていますし、紛失、破棄してしまわないように管理も必要です。さらに、遺言した人が亡くなった後、相続人はその遺言書について、家庭裁判所で検認を受ける必要があります。ただし、自筆証書遺言書保管制度により、法務局で預かってもらう場合は、検認は不要となっています。
 

公正証書遺言

公正証書遺言は、遺言の内容を公証人に伝え、公証人に書いてもらう遺言です。公証人とは、公証役場で公文書の作成を行う公務員です。公正証書遺言は公証役場に保管されますので、家庭裁判所の検認は不要になり、その分相続人の負担が減ることになります。高齢や障害によって、自書できない場合は公正証書遺言の活用も検討の価値があるでしょう。
 
ただし、作成にあたって証人2人の立ち会いが必要であるため手続きも煩雑で、費用(※財産額によって異なる公証役場手数料など)もかかる点については確認しておきたいところです。
 

秘密証書遺言

秘密証書遺言は、(1)遺言者が遺言書を書いて封印し、(2)公証人と証人2人の前で封筒の中身が自身の遺言書であることや氏名と住所を申述し、(3)公証人が提出日と申述内容を封筒に記載し、(4)遺言者と証人それぞれが封筒に署名押印する、という流れで作成する遺言です。
 
遺言の中身をパソコンで作成したり、代筆してもらったりすることも可能です(※署名だけは自筆)。封印されているため、遺言の中身は秘密にでき、偽造、改ざんを防止しつつ、死後に遺言の存在が遺族に伝わるようにできます。
 
ただし、こちらも作成には費用(※公証役場手数料1万1000円など)がかかりますし、遺言書自体は自分で保管するため、紛失のリスクは残ります。また、遺言書について、相続開始後に家庭裁判所での検認も必要です。
 

いざという時に備える

以上のように3種類の遺言があり、それぞれ長所と短所があります。将来、デジタル遺言制度が導入された場合であっても、遺言を残す場合はその種類に応じた作成ルールを理解したうえで作成し、自らの最後の意思表示が相続人に有効に示されるようにしておく必要があるでしょう。
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

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