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親族間の「金銭貸借」と「贈与税」の関係とは?法的ルールや注意点を紹介

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月23日 8時30分

親族間の「金銭貸借」と「贈与税」の関係とは?法的ルールや注意点を紹介

贈与税とは、年間で110万円を超えるお金を、相手から受け取った際に発生する税金です。借り入れたお金に対しては発生しませんが、法的なルールを守らないと、親族間であっても贈与とみなされます。今回は、親族間の金銭貸し借りについて、贈与税がかかるケースや、贈与とみなされないための注意点を紹介します。

親の借金にも贈与税がかかる?

贈与税とは、相手から贈与された財産に発生する税金のことです。借金のように、借りただけで、いずれ返すお金には発生しません。仕組みとしては、110万円よりも大きい金額を受け取ると贈与税が発生しますが、明確に借金である場合には、贈与税は発生しません。
 
ただし、同じ借りるという行動であっても、借金であることが明確になっていないと、贈与税の対象になってしまいますので、注意が必要です。
 

借り方によっては借金でも贈与税がかかる

国税庁のホームページによると、同じ借りる行為であっても、無利子の場合は、利子に該当する金額の利益を贈与されたことになるとされています。利子を支払う場合であっても、返済期日が明確になっていなければ、贈与税がかかる可能性が高くなります。
 

贈与税がかかる具体的なケース

贈与税がかかる借り入れの具体的な例としては、「あるとき払いの催促なし」や「出世払い」というような不確かな借り入れ金です。利子として少し多めに返してもらうからといっても、返済期日が明確になっていなければ、お金をあげた・受け取ったとみなされ、贈与とみなされる場合があります。
 
返済期日は明確にしていても、無利子での返済にしている場合は、本来の利子に相当する金額が借りた側の利益と捉えられ、贈与税の対象となりますので、注意が必要です。
 

贈与とみなされないための注意点

贈与とみなされないようにするには、明確に借り入れであるとして、きちんと借用書などを作成し、利子を受け取り、返済期日を設け、取り立ても行う必要があります。
 
ただし、親から子に貸したり与えたりするお金のなかには、非課税のものも存在します。自分が子に貸すお金は、誓約書を作るべきなのか、そのままでも非課税のため問題はないのかを、しっかりチェックしておきましょう。
 

貸し借りは明確にしておく

贈与に該当しないようにするためには、お金を貸したということが、明確に分かるようにしておく必要があります。贈与とみなされないよう、お金を貸す際には、借用書、または金銭消費貸借契約書を作成しましょう。
 
返済期間を設定し、金利もつけ、借用書の通りに返済してもらえれば、贈与税の対象にはなりません。返済期間を決める際は、貸す側である親の年齢を考慮して決定しないと、常識的な貸し借りとしてみなされずに、贈与税が発生する可能性がありますので、注意しましょう。
 

仕送りや教育のお金は非課税

親から子に貸したり、与えたりするお金は、すべてに贈与税がかかるわけではありません。一人暮らしの子どもへの仕送りは、30歳未満までであれば、1500万円までは、一括で受け取っても税金がかかりません。
 
本来なら、新車を購入してもらうという行為は贈与税の対象になりますが、生活に車が必要不可欠というような環境ならば、110万円を超える車を購入してもらっても、税金が免除される可能性があります。
 
そのほかにも、結婚や子育ての援助資金、教育資金、住宅取得費用といったお金も、贈与税の特例として、対象外になります。こうしたお金を借りる・もらう場合には、とくに税金を気にせずに受け取れます。
 

法的ルールを把握することが重要

血縁者であっても、お金を受け取る以上は発生する贈与税ですが、発生する場合とそうでない場合の区別はさまざまです。お金を借りるだけと思っていても、実際には贈与に該当しているとなると、余計な税金が発生してしまいます。
 
お金を子に貸したり与えたりする場合、法的なルールをしっかりと把握して、お金を貸すならば、借用書や誓約書を用意するなどの準備を怠らないようにしましょう。親族間だからこそ、お金のやりとりは大ざっぱにせず、明確な状態にしておくことが大切です。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4420 親から金銭を借りた場合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 

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