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定年後に「工事現場の警備スタッフ」として勤務するのは現実的?年収は?

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月23日 9時40分

定年後に「工事現場の警備スタッフ」として勤務するのは現実的?年収は?

寿命だけではなく、健康寿命も延びるなか、定年後も仕事をしたいと考えている人は多いでしょう。あるいは、年金だけでは生活面で不安なため、定年後も働かざるを得ない人も少なくはありません。とはいえ、定年後に就ける職業は、現役世代のときと比べると限定的です。   今回は、定年後に、工事現場などで目にする「警備スタッフ」として働くことは、現実的であるのかどうか、年収データなどとあわせて考えてみます。

警備スタッフの仕事内容

警備スタッフの中でも、工事現場に特化した場合、交通誘導が主な業務となります。工事が適切かつ安全に行われるように、近くを通る車両や通行人の誘導を行うのが、警備スタッフの仕事です。工事現場も、規模や時間帯がさまざまであり、それぞれで任される仕事内容の詳細は異なります。
 
また、派遣先が、工事現場だけとは限りません。所属する企業や事業所によっては、ショッピングモールやイベントなどの警備を任されるケースもあるでしょう。
 

警備スタッフは年収300万円以上も可能

株式会社カカクコムの運営する「求人ボックス」の求人統計データによると、交通誘導の平均年収は正社員で349万円となっています。アルバイトやパート、あるいは派遣社員の平均時給は1000〜1300円です。1日8時間で月に20日間勤務したとすると、非正規雇用の場合では、年収換算で190〜250万円ほどとなります。
 
また、厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」では、職種別の給与額が公表されています。調査結果によると「警備員」の1ヶ月あたりの給与額は約25万円です。単純に12ヶ月分とすれば、年収は約300万円で、ボーナスや手当などを加えると、やはり求人ボックスの正社員のデータに近い数字となるでしょう。
 
・生活していけるかは雇用形態と年金受給額による
定年後も仕事を続ける理由は、人それぞれでしょう。お金の面で不安があるのであれば、警備スタッフとして働くことにより、経済的に問題のない生活を目指したいところです。前述のように、警備スタッフの収入は、雇用形態によりさまざまです。
 
参考として、定年後に必要になる生活費を考えてみます。総務省統計局の「2022年家計調査」の結果によると、世帯主が60〜69歳の世帯において、1ヶ月あたりの平均消費支出額は約25万7000円となっています。70歳以上では約20万1000円と減るものの、定年後も毎月20万円程度の支出があるといえるでしょう。
 
これらを年間で換算すると、約240〜300万円です。正社員であればまかなえますが、非正規では厳しいケースも出てきます。定年後であれば、多くの人が非正規として働くことになると想定できるため、警備スタッフの給与のみで生活することは困難です。生活できるか否か、あるいは楽な生活となるか否かは、受け取る年金額によって変わるといえます。
 

定年後に警備スタッフとして働く際の注意点

定年後に工事現場の警備スタッフとして勤務することが、現実的か否かを考える際は、注意点を踏まえておく必要もあります。まず何よりも、体力的に厳しいという点が挙げられるでしょう。
 
警備スタッフは、基本的に屋外勤務です。真夏でも制服を着込まなければならず、雨や雪が降っても、多くの場合は出勤しなければいけません。また、工事現場であれば、夜間勤務を強いられる可能性もあります。
 
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」では平均年齢が約51歳となっている警備員でも、定年後のフルタイム勤務は体力的に非常に困難です。しかし、フルタイムで働かなければ、その分、収入も減ってしまいます。あらかじめ築いておいた資産やほかの収入源がなければ、生活に支障が出てくるケースもあるでしょう。
 

定年後の警備スタッフ勤務は体力的に厳しいが選択肢の一つにはなりうる

警備スタッフは平均年齢も高いため、定年後でも勤務は可能です。非正規でもフルタイムで働けば、200万円前後の年収は得られるでしょう。
 
しかし、工事現場の警備スタッフとして働くケースでは、体力的に非常に厳しいという点を認識しておかなければいけません。加齢とともに、出勤日数や勤務時間に制限が出てくる点も考慮したうえで、働き始める必要があるでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 

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