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年金生活者支援給付金制度って何? どんな人が対象なの?

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月24日 4時40分

年金生活者支援給付金制度って何? どんな人が対象なの?

公的年金等の受給手続きをするにあたって「年金生活者支援給付金制度」の存在を知り、自分は受給要件に該当するだろうか、と気になっている人もいるでしょう。年金生活者支援給付金制度は、年金を含めた所得が基準以下の人が受け取れる給付金です。   本記事では、年金生活者支援給付金制度の対象者や支給金額、請求方法など、制度に関する基本的な情報をまとめて紹介します。

年金生活者支援給付金制度とは

年金生活者支援給付金制度とは、年金受給者のうち、公的年金等やその他の所得を合わせた収入金額が、一定基準を下回る人を対象に、年金に上乗せして給付金が支給される制度です。受給者の生活の支援を目的としており、財源として消費税率引き上げ分が活用されています。
 
年金生活者支援給付金は、受給している公的年金等の種類によって以下の3種類に分かれています。
 

・老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金
・障害年金生活者支援給付金
・遺族年金生活者支援給付金

 

年金生活者支援給付金を受け取れる人の条件

年金生活者支援給付金を受け取るためには、公的年金等の受給者であることに加えて、本人の収入や世帯年収などの基準を満たしている必要があります。収入の基準は受け取る年金生活者支援給付金の種類によって異なるため、自身が当てはまるものを確認しましょう。
 
なお、要件を満たしていても、次の3つの場合には年金生活者支援給付金は支給されません。
 

・日本国内に住所がない
・年金が全額支給停止である
・刑事施設等に拘禁されている

 
以下に、年金生活者支援給付金の種類別の受給要件をまとめました。
 

老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金

老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金を受け取れるのは、次の要件をすべて満たす人です。
 

・65歳以上の老齢基礎年金受給者
・世帯全員の市町村民税が非課税
・前年の年金とその他の所得の合計額が88万1200円以下(※78万1201円~88万1200円は補足的老齢年金生活者支援給付金を支給)

 
なお、ここでの所得には、障害年金・遺族年金などの非課税収入は含みません。
 

障害年金生活者支援給付金・遺族年金生活者支援給付金

障害年金生活者支援給付金・遺族年金生活者支援給付金の受給要件は次のとおりです。
 

・障害基礎年金受給者または遺族基礎年金受給者
・前年の所得額が472万1000円+扶養親族の数×38万円(※70歳以上の同一生計配偶者・老人扶養親族は48万円、特定扶養親族・16歳~18歳の扶養親族は63万円)以下

 
所得には、障害年金などの非課税収入は含みません。
 

年金生活者支援給付金の給付額

年金生活者支援給付金の基本の給付額は、それぞれ図表1のとおりです。※令和5年度の金額です。
 
【図表1】

給付金の種類 給付額(月額) 備考
老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金 aとbの合計額
a:保険料納付済期間にもとづく額=5140円×保険料納付済月数÷480月
b:保険料免除期間にもとづく額=1万1041円×保険料免除月数÷480月
補足的老齢年金生活者支援給付金はaに以下の式で計算した割合を乗じて計算。
(88万1200円-前年の年金と所得の合計額)÷ 10万円
障害年金生活者支援給付金 障害等級が1級の人:6425円
障害等級が2級の人:5140円
遺族年金生活者支援給付金 5140円 2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は5140円÷子の数を子それぞれに支給。

 
老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金については、過去の納付状況により支給額が変わります。保険料納付済期間や保険料免除期間は、年金証書などで確認しましょう。
 

《老齢年金生活者支援給付金の計算例(月額)》

■納付済月数450月、免除月数0月の場合
a:5140円×450÷480月=4819円
b:1万1041円×0÷480月=0円
a+b:4819円
 
■納付済月数が300月、免除月数が50ヶ月の場合
a:5140円×300÷480月=3213円
b:1万1041円×50÷480月=1151円
a+b:4364円

 

年金生活者支援給付金の請求方法

年金生活者支援給付金を受給するには、年金事務所に「年金生活者支援給付金請求書」を提出する必要があります。公的年金等の初年度の請求手続きの際に、同時に手続きしましょう。後で個別に手続きを行うこともできます。
 
支給要件の判定に必要な所得情報は市町村から提供されるため、収入証明書類などの提出は原則として不要です。また、支給要件を満たしている場合は2年目以降の手続きは必要なく、自動的に支給が継続されます。
 
なお、目が見えない、身体が不自由、闘病中である、認知症を患っているなどの理由で自筆での手続きが難しい場合は、代理人や成年後見人等による代筆での手続きが可能です。
 

年金生活者支援給付金制度の対象者は忘れずに請求を

年金生活者支援給付金制度は、収入が一定以下の年金受給者を対象に、生活を支援するための給付金を支給する制度です。
 
月額数千円程度が支給され、初年度に手続きすると、要件を満たしている間は更新手続きなしに継続して支給されます。要件に該当する人は、年金の請求手続きの際にあわせて、年金生活者支援給付金の請求手続きも忘れずに行いましょう。
 

出典

厚生労働省 年金生活者支援給付金制度について
厚生労働省 「年金生活者支援給付金制度」について
日本年金機構 年金生活者支援給付金請求手続きのご案内
日本年金機構 65歳の誕生日を迎え、老齢基礎年金を新規に請求する方
日本年金機構 障害基礎年金または遺族基礎年金を新規に請求する方
日本年金機構 成年後見人等に選任されている方の手続き方法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 

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