55歳、この先も「派遣社員」として勤務できる? 老後を安心して生活するための対策も解説
ファイナンシャルフィールド / 2023年5月24日 10時20分
55歳で派遣社員の場合、年齢的に正社員になるのは難しいといわざるを得ません。会社に縛られることなくフレキシブルに働けるのが派遣社員の魅力ですが、一方で、この先いつまで働けるのかと不安に感じている人も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、派遣社員としていつまで働くことができるのか、老後に備えてどのようなことに注意すればよいか、詳しく解説します。
派遣社員に年齢制限はない!
まず重要なことは、派遣社員として働く上で法律上年齢制限はありません。改正された雇用対策法により、募集・採用における年齢制限の禁止が定められたからです。そのため、仮に60歳以上になったとしても、年齢に関係なく仕事することができます。
とはいうものの、現実問題として、年齢を重ねるに連れてできる仕事は限られてくるでしょう。60歳以降も働いていくためには、自身のスキルを磨いておくことが大切です。とりわけ、どの職場に派遣されてもうまくなじめるコミュニケーションスキルを身につけておきましょう。
また、1つの方法として、無期雇用への転換も視野に入れておきましょう。2013年に行われた労働契約法の改正により、雇用契約が通算5年を超えた場合、派遣会社に申請すれば有期雇用から無期雇用に転換することが可能になりました。
無期雇用は期間を定めない雇用契約となるので、「いつ仕事がなくなるか」という心配をする必要はありません。ただし、その際には派遣会社の就業規則などをしっかりチェックしておきましょう。
老後も働く場合は在職老齢年金に注意!
派遣社員であっても、条件を満たしている場合は厚生年金の被保険者となります。国民年金の加入期間は60歳までですが、厚生年金は60歳以降も働き続ければ加入し続けられます。そうすると年金額が増えますし、年金を受け取りながら働くことも可能です。厚生年金に加入していない人は、老後のためにも加入できるような条件で働くようにしましょう。
ただし、老後も働き続ける場合には注意するべきポイントがあります。それは在職老齢年金による調整です。年金を受給しながら働く場合、稼ぎすぎると老齢厚生年金の支給が停止や減額になる可能性があります。
在職老齢年金による調整は、「基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-48万円)÷2」の計算式で行われます。基本月額とは、加給年金額を除いた老齢厚生年金の月額です。総報酬月額相当額は、その月の報酬額とその月以前の1年間の賞与額を12で割った額の合計です。
例えば、毎月の老齢厚生年金の受給額が15万円、賞与を含めた毎月の給与額が35万円としましょう。その場合、「15万円-(15万円+35万円-48万円)÷2」なので、老齢厚生年金額から1万円が差し引かれます。
重要なポイントは、老齢厚生年金の1ヶ月あたりの支給額と、1ヶ月あたりの給与額(賞与の月平均を含む)の合計が48万円を超えないことです。
シニアでも活躍している人は多い!
年金を受給しながら働いている人は多いです。法律上、年齢を理由に採用が拒まれるようなことはありません。しっかりとスキルを身につけておくことで、老後も働き続けられるでしょう。
とはいうものの、老後も働き続ける場合には、在職老齢年金による調整に注意が必要です。あらかじめ自身が受け取れる年金はいくらなのか、しっかり把握しておきましょう。
出典
厚生労働省 募集・採用における年齢制限禁止について
厚生労働省 無期転換ルールについて
日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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