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「入学金30万円」の振込先を間違えた! お金は戻ってこない?「組戻し」の概要や注意点を解説

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月25日 10時10分

「入学金30万円」の振込先を間違えた! お金は戻ってこない?「組戻し」の概要や注意点を解説

金融機関の口座からお金を振り込む際に、振込先を間違えそうになったことはありませんか? 特に入学金の支払いのように、初めての口座へ振り込む場合は、口座番号を打ち間違う可能性があるかもしれません。万が一、振込先を間違って入力してしまった場合は、どのように対処すればよいのでしょうか。   本記事では、誤った振込を取り消す「組戻し(くみもどし)」の概要や、注意点などを解説します。

振込先を間違えて振り込んだ場合はどうすればいい?

もし振込先を間違えてしまった場合は、「組戻し」という手続きによって振込先口座から振込元口座へお金を戻すことができる場合があります。具体的な手順は以下のとおりです。
 

1.自分から振込元口座を管理する金融機関へ連絡
2.振込元口座を管理する金融機関から振込先口座を管理する金融機関へ連絡
3.振込先口座を管理する金融機関から、振込先口座の名義人に連絡して組戻しの承諾をもらう
4.承諾を得られたらお金を戻す手続きを行う

 
組戻しの依頼方法は金融機関によって異なり、事業者ごとに電話、メール、Webサイトのフォームなどを指定しています。
 

組戻しの注意点

組戻しを希望する場合は、できるだけ早く振込先口座を管理する金融機関へ連絡しましょう。
 
最近では振込の操作を行うと即時で振り込まれることも少なくありませんが、他の金融機関宛ての場合は振込先口座に着金するまで時間がかかる場合があります。着金後だと相手の承諾が必要になるため手続きがいっそう煩雑になりますが、着金前であれば振込の取り消しだけですむ場合もあります。
 
いずれにせよ、誤りに気づいたらとにかく早めに連絡することが大切です。
 
既に着金している場合は、振込先口座名義人の承諾が必要です。相手方とすぐに連絡がつかない状況では、手続きに1ヶ月以上かかることもあります。連絡が取れた場合でも、相手が組戻しを承諾しない場合には、組戻しはできません。
 
また、組戻しには手数料がかかります。金融機関によって手数料は異なり、660~880円程度の負担が生じます。この手数料は、実際に組戻しができなかった場合でも返還されない金融機関もあるので、注意しましょう。
 

相手方が承諾しない場合は?

とはいえ、入学金のように数十万円の大金を振り込んだ場合は「相手が承諾していないから組戻しはできない」といわれても、簡単にあきらめられないですよね。
 
この場合は、不当利得返還訴訟を起こせば誤って振り込んだお金が戻ってくる可能性があります。ただし、訴訟を起こすために必要な相手方の情報は金融機関からは教えてもらえないため、弁護士などの専門家に相談するなどの手を打つ必要があります。専門家に依頼すればそれなりの費用が必要なため、振り込んだ金額とのバランスをよく考慮したうえで判断するようにしましょう。
 

まとめ

振込先を間違えてしまった場合、組戻しの手続きによって必ずしもお金が戻ってくるとは限りません。相手方が承諾しなかった場合は、不当利得返還訴訟を起こすこともできますが、訴訟にかかる費用によってはあきらめた方がよいケースもあります。
 
インターネットバンキングの普及により手軽に振込ができるようになった反面、ちょっとしたミスによってお金が戻ってこなくなるリスクもまた大きくなっているといえます。お金を送る際には、相手先の口座番号をよく確認してから振り込むようにしましょう。
 
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士

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