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60代、年金月10万円、貯蓄なしで生活できるの?

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月25日 10時50分

60代、年金月10万円、貯蓄なしで生活できるの?

60代になって年金を受け取れるようになれば、悠々自適な年金生活が送れるという時代ではありません。思ったよりも受け取れる年金が少なく、老後生活に悩む可能性も十分にあります。   そこで、60代で受け取る年金が月10万円、さらには貯蓄なしという状況であったとき、生活していくことができるのか考えていきます。

そもそも年金10万円なんてあり得るの?

今、年金保険料を払っている現役世代からすれば信じられないような話かもしれませんが、将来の年金受給額が月に10万円程度ということは十分現実的です。人によってはそれ以下である可能性もあります。
 
国民年金受給者の平均的な年金額は、令和3年度末現在、月額5万6000円です。そして、厚生年金受給者でも平均的な年金額は月額14万4000円です。厚生年金に加入していれば10万円以上の年金を受け取ることもできるのですが、それでも15万円未満の金額です。現役時代の手取りには到底及ばないでしょう。
 
また、あくまでも平均値が14万4000円であり、それ以下の人も多数存在しています。このように、自身の年金の加入履歴次第では受け取る年金が10万円程度、またはそれ以下というのは十分現実的な話なのです。
 

貯蓄なしの60代が月10万円の年金で生活できるのか

現実的には、貯蓄なしの60代の方が月10万円の年金だけで生活していくことは相当に困難です。総務省の家計調査年報によれば、65歳以上の単身無職世帯における消費支出と非消費支出の合計額は14万4747円です。
 
厚生年金を受け取れる方でもギリギリ生活できるくらいです。それを考えると、月10万円で貯蓄もない状況で生活していくことは困難どころか不可能と考えてもよいでしょう。
 
もちろん、自給自足をするなど、一般的ではない方法であれば不可能ではありませんが、月10万円で世間一般的高齢者としての生活を送っていくことは、たとえ単身であっても困難と考えておくべきです。
 
なお、夫婦であれば毎月25万5100円の支出が生じます。夫婦それぞれが10万円ずつで合計20万円という状況であっても一般的な高齢者としての生活は難しそうです。ただし、20万円あれば夫婦2人が生活していくこと自体は単身者が10万円で生活していくことよりもハードルが低いため、大変であることは違いないものの、不可能ではないでしょう。
 

月10万円、貯蓄なしの状況で60代が生活していくには就労も視野に

60代が月10万円の年金で貯蓄なし。この状況で生活していくには、定年後であっても就労を視野に入れるのが現実的です。単身者であれば10万円の年金に加えて5万円の収入があれば統計上一般的な生活を送っていくことができます。
 
5万円というお金は、時給1000円で一日5時間働けば、10日間で稼ぐことができます。地域にもよりますが週2から3日で達成できる金額で、年齢を踏まえても不可能な就労形態ではないでしょう。
 
夫婦であっても、2人で働くことができれば最低限の生活費に必要な額を稼ぐことも不可能ではないでしょう。
 
近年では、シルバー人材や高齢者の雇用拡大などで60代70代など高齢者も無理なく働ける環境が整いつつあるため、十分選択肢となりえます。
 

就労できない場合や就労だけでは生活ができない場合

体調面の問題から就労できない、あるいは就労しても生活していくだけの収入を確保することができない場合、まずは家族を頼って生活していくことになるでしょう。
 
頼れる家族がいないという場合は、自治体に相談することも有効です。今抱えている問題を解決するためのサポートを受けることができるからです。
 
場合によっては、生活保護の受給や、無理なく働ける仕事に就き継続して就労するための、より直接的で効果的なサポートを受けられることもあります。生活を早期に再建するためにも、困ったときは自治体に相談することも重要です。
 

貯蓄のない60代が月10万円の年金だけで生活していくことは難しい

単身者であっても高齢者の生活には毎月15万円近くかかるため、貯蓄のない60代が月10万円の年金だけで生活していくことは困難です。現実的には、就労したり、家族に頼ったり、自治体を頼ったり、何らかの対応が必要になります。
 
現在60代で生活に困っている場合は、本当に生活に行き詰まる前に早急に上記の対応について検討してください。もし、家族に60代で年金10万円、貯蓄なしの状況の方がいらっしゃる場合は、何らかの支援を行えないか、検討をしてみてください。
 

出典

総務省 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年) 2総世帯及び単身世帯の家計収支
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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