65歳以降も「月22万円」を稼いだ場合、70歳で受け取れる「年金額」はいくら? 厚生年金に加入し続けた場合で試算!
ファイナンシャルフィールド / 2023年5月26日 2時20分
年金支給開始年齢が65歳に引き上げられたことにより、60歳以後も働く人が増えています。2022年4月から、65歳以降も働いて厚生年金に加入し続けた場合に、納めた年金保険料分が毎年反映される「在職定時改正制度」が始まっていることをご存じでしょうか。本記事では、試算を交えて解説します。
65歳以降も厚生年金に加入しながら働くと年金額は増える?
以前は、年金を受給しながら65歳から70歳まで働き厚生年金保険料を納め続けても、70歳になったとき、または退職時に65歳からの保険料分が年金額に反映されていました。
2022年4月から年金が増加するタイミングを年1回とする「在職定時改正制度」が始まり、納めた年金保険料によって年金額が毎年反映されるようになったのです。
毎年増える年金額を試算してみよう
老齢厚生年金の年金額は、働いて得た報酬額と加入期間などに応じて計算されます。2003年4月以降加入の場合、計算式は「平均標準報酬額×5.481(給付乗率)÷1000×加入期間月数」です(平均標準報酬額は、報酬月額と賞与額を合計し、加入期間月数で割った金額です)。
<試算例1:平均標準報酬額が月額22万円で、65歳から70歳まで働いたAさんの場合>
・加入期間1年で増額される見込み額
22万円×5.481÷1000×12ヶ月=年間約1万4470円(1円未満四捨五入)
・加入期間5年で増額される見込み額
約1万4470円×5年=年間約7万2350円
65歳になった時点での年金受給見込み額が年額264万円(老齢基礎年金79万5000円、老齢厚生年金184万5000円)の場合、66歳で約265万4470円(月額約22万1206円)、70歳で271万2350円(月額約22万6209円)となる試算結果になりました。
在職定時改定では毎年9月1日に在職している人について、8月以前の加入期間に基づいて計算されます(試算例のAさんを9月生まれとして計算しています)。
損しない収入金額の上限はいくら?
65歳以上になると、在職定時改定制度の年金額計算対象となるのは老齢厚生年金だけで、老齢基礎年金はそのまま支給されます。厚生年金に加入できるのは70歳までなので、65歳から70歳になるまでの5年間が老齢厚生年金受給額を増やせる機会と言えるでしょう。
しかし、給与・ボーナスの金額と、もらう見込みの年金額合計に応じて、年金額の一部または全部がカットされる「在職老齢年金」制度があります。この制度は、給与額+ボーナスの月割り額合計と年金月額(加給年金額は含めません)を合計した金額で決められています。
この合計金額が「月額48万円以下」なら、年金支給額調整はありません。48万円を超えると、一定の計算により年金額が減額されます(自営業や不動産で収入を得ている場合、在職老齢年金は適用されません)。
試算例にあげたAさんの場合、65歳から受け取っている年金月額22万円+働いて得た平均標準報酬額(月額)22万円の合計が約44万円なので、在職老齢年金が適用されない見込みです。給与と年金額との合計額が48万円を超えないように、働いて得る収入を抑えておくのが年金減額を防ぐ方法の1つと言えるでしょう。
まとめ
年金の在職定時改正制度は、年金をもらいながら働く人の生活の充実につながるように設けられた制度です。自分の体調や年金額をチェックしながら、収入がなるべく減らないように働くことを検討してみましょう。
出典
日本年金機構 老齢年金ガイド 令和5年度版
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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