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母が「早く死んだら損だから」と60歳で年金を受け取ると言っていますが大丈夫でしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月27日 2時20分

母が「早く死んだら損だから」と60歳で年金を受け取ると言っていますが大丈夫でしょうか?

年金は原則として65歳から受け取ることができます。ただし、「繰上げ受給」を選択すれば、60歳から受け取ることが可能です。一見お得なようですが、繰上げ受給にはメリットもあればデメリットもあります。   そこで、本記事では「早く死んだら損だから」と60歳で年金を受け取ろうとしている母親を例に、繰上げ受給について解説します。

繰上げ受給とは?

繰上げ受給とは、60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて年金を受け取ることです。繰上げ請求した日の翌月分から、年金を受け取ることができます。早く受け取りたい場合は、最寄りの年金事務所または街角の年金相談センターに請求書を出しましょう。
 
ただし、原則として老齢基礎年金と老齢厚生年金は同時に繰上げ受給しなくてはいけません。どちらか片方だけ繰上げ受給するというわけにはいかないのです。
 

繰上げ受給のメリットとは?

繰上げ受給のメリットは、65歳を迎える前に繰り上げて年金の受給ができることです。定年退職などで60歳から収入が減ってしまい、足りない生活費を補てんしたいという人には助かる制度だといえるでしょう。
 

繰上げ受給のデメリットとは?

繰上げ受給のデメリットは、受け取ることができる年金額が減額されることです。
 
減額率は受け取る時期を早くすればするほど高くなり、「減額率= 0.4%×繰上げ請求月から65歳に達する日の前月までの月数」という計算式から求めます。減額率は最大で24%です(ただし、昭和37年4月1日以前生まれの場合、1ヶ月当たりの減額率は0.5%で最大30%)。
 
また、年齢については「年齢計算に関する法律」に基づき算出され、65歳に達する日=65歳の誕生日の前日です。例えば、4月1日生まれの場合、誕生日の前日である3月31日が65歳に達した日になります。繰上げ請求をすると、60歳から年金を受け取ることができますが、年金額も減ります。必ずしも得になるわけではないのです。
 
また、一度繰上げ請求をすると、取り消すことができません。つまり、年金減額率は一生涯固定されてしまうのです。また、寡婦年金を受け取っている場合、繰上げ請求以後はその権利がなくなってしまいます。そのため、寡婦年金受給者は繰上げ請求をする際はどちらが得なのかをよく考えなくてはなりません。
 
さらに、繰上げ請求を行った時点で、障害基礎(厚生)年金を請求する権利もなくなってしまいます。治療中の病気や持病がある人が繰上げ請求をしてしまうと、後で困ることになるかもしれません。
 
そのため、「早く死んだら損だから」という理由だけで繰上げ受給をすると、後悔する可能性があります。早く受け取ることができるというメリットだけではなく、デメリットや注意点も踏まえて、検討するようにしましょう。
 

繰上げ受給の際はメリットだけでなくデメリットにも目を向けよう


 
繰上げ受給をすると、60歳から年金を受け取ることが可能です。早く受け取ることができるため、一見メリットがあるように思われます。しかし、早く受け取った分、年金額は減ってしまいます。
 
また、寡婦年金の受給や障害基礎(厚生)年金の請求ができなくなってしまうのです。一度、繰上げ受給すると取り消すことができません。繰上げ受給の際はメリットだけでなく、デメリットも踏まえて検討してみてはいかがでしょうか。
 

出典

日本年金機構 年金の繰上げ受給

日本年金機構 65歳前に老齢年金の受給を繰上げたいとき

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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