【副業所得】経費を引いたら20万円以下に収まった! でも「確定申告した方がおトク」なケースとは?
ファイナンシャルフィールド / 2023年5月28日 5時0分
副業をしている人の多くは、「副業の所得は20万円以下なら確定申告不要」というルールを把握しているでしょう。副業所得が20万円以内に収まるよう、あえて調整している人もいるのではないでしょうか。 しかし、副業所得が20万円以下であっても、確定申告によってトクをする場合があります。本記事では、副業所得が20万円以下でも確定申告がトクになる3つのケースを紹介します。
副業所得が20万円を超えたら確定申告が必須
会社からもらっている給与のほかに、給与ではない副業の収入がある場合、所得税の確定申告が必要かを判断するボーダーラインは、副業の所得が20万円を超えたかどうかです。
これは、副業収入の種類が「事業所得」「雑所得」「不動産所得」など、どれに該当しても変わりません。この場合の「所得」は、副業の収入全体から必要経費を差し引いた金額です。
また、副業でアルバイトやパートをしていて、その収入も給与としてもらっている場合は、年末調整されなかった副業の給与収入が20万円を超えると、確定申告が必要となります。この場合の20万円は、給与の「収入(額面)」が対象となるため注意しましょう。
副業所得が20万円以下でも確定申告をしたほうがトクな3つのケース
副業所得が20万円以下でも確定申告をしたほうがトクになる主なケースは、次の3つです。
・副業の報酬から源泉徴収されている場合
・年末調整の対象外の所得控除を受けたいとき
・副業が赤字だったとき(副業収入が事業所得・不動産所得の場合)
それぞれのケースについて、なぜ確定申告をするとトクになるのかを解説します。
副業の報酬から源泉徴収されている場合
本業も副業も給与収入の場合、副業の収入からも所得税が源泉徴収されています。また、副業の収入が給与以外の場合も、次のような報酬は源泉徴収の対象となります。
・原稿料や講演料(1回の支払いにつき5万円を超える場合)
・弁護士、公認会計士、司法書士などの報酬
・モデルの報酬
・映画や演劇、テレビなどの出演料
副業収入は年末調整の対象とならないため、年間の収入に対して源泉徴収された所得税額が多すぎる場合は、確定申告をすると差額の還付を受けられます。還付申告は収入を得た翌年から5年間行えるため覚えておきましょう。
年末調整の対象外の所得控除・税額控除を受けたいとき
確定申告をして年末調整の対象とならない所得控除や税額控除を受けると、所得税や住民税の節税になります。例えば、次のようなケースです。
・医療費控除やセルフメディケーション税制の適用を受ける
・ふるさと納税で寄附金控除を受ける
・初年度の住宅ローン控除を受ける
・災害などの被害を受けて雑損控除を受ける
ただし、本業の年末調整後に所得税額が0で副業収入からも源泉徴収されていない場合は、確定申告による節税効果はありません。
副業が赤字だったとき
給与以外の副業収入を「事業所得」として計上している場合は、損益通算という制度を利用して、副業の赤字と本業の給与所得を相殺できます。結果的に本業の所得税額が減少し、節税効果を得られる仕組みです。
ただし、副業収入は「雑所得」とみなされるケースも多く、雑所得は損益通算ができないため注意が必要です。副業収入が事業所得か雑所得かは、一般的に見て「事業」として営まれているかが基準となり、帳票の保存状況や収入の規模などで判断されます。自身の副業収入の区分が判断できない場合は、確定申告をする前に税務署に確認するとよいでしょう。
また、副業として不動産の賃貸などを行っている場合の「不動産所得」も、損益通算ができる副業所得です。
副業所得の確定申告で節税になる可能性がある
副業所得は、20万円を超えない範囲であれば確定申告をする義務はありません。しかし、源泉徴収で納めすぎた所得税がある場合や、所得控除や税額控除の適用を受けたい場合、副業収入が事業所得や不動産所得で損益通算による節税をしたい場合は、確定申告をするとトクになる可能性があります。
副業の収入に関するルールをよく理解して、申告漏れの防止や上手な節税に役立てましょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.2030 還付申告
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは
国税庁 「所得から差し引かれる金額」(所得控除)
国税庁 マイホームを持ったとき
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.2250 損益通算
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算
国税庁 「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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