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退職金はいくらくらいもらえるの? もらったら税金や確定申告はどうなる?

ファイナンシャルフィールド / 2023年5月28日 3時40分

退職金はいくらくらいもらえるの? もらったら税金や確定申告はどうなる?

退職金は、一定期間働いた結果として、人生の節目にもらえる重要なお金です。しかし、実際にもらえる金額や税金の扱いについては、あまり知らない方も多いでしょう。   本記事では、「退職金はいくらくらいもらえるのか」「もらったら税金はどうなるのか」について解説します。退職金の定義や仕組み、税金の扱いも詳しく解説しますので、退職金について理解を深めたい方は参考にしてください。

退職金とは

退職金は、退職時に会社が退職者に支払う金銭です。法律では、会社が退職金を支払う義務はなく、退職金制度がない会社もあります。ただし、会社の就業規則に退職金制度がある場合は、会社は対象者に退職金を支払わなければなりません。
 
退職金の金額は会社によって異なりますが、基本的に勤続年数や基本給、役職などが考慮されます。
 

退職金はいくらもらえる?

退職金は、法律で支払いが義務付けられてはいないことから、金額についても法律では定められていません。会社ごとに就業規則によって退職金の対象者や金額の決め方などが定められているのが一般的です。
 
本項では、一般的な中小企業の退職金がどのような仕組みになっているのかや、勤続年数ごとの退職金の相場について解説します。
 

一般的な中小企業の退職金の仕組み

一般的な中小企業の退職金としてよく用いられている「中小企業退職金共済制度」は、基本退職金と付加退職金から成り立っています。
 
基本退職金は、法令で定められた掛金月額と納付月数に応じて決まる金額です。予定運用利回りは1%で設計されていますが、法令の改正によって変更される可能性があります。
 
付加退職金は、予定運用利回りを上回った場合に基本退職金に上乗せされる金額です。具体的には掛金納付月数の43ヶ月目とその後12ヶ月ごとに基本退職金相当額に、その年度の支給率を乗じた額が加算されます。
 

勤続年数が増えるほど退職金の金額は上がる

中小企業の退職金は、勤続年数が長いほど金額が上がる傾向にあります。掛金納付月数が長いことで、基本退職金や付加退職金の金額が増え、より多くの退職金が受け取れるからです。
 
図表1は、厚生労働省「令和3年賃金事情等総合調査」による、大学卒、事務・技術労働者、総合職相当、会社都合の場合の勤続年数と退職金の金額抜粋です。
 
【図表1】
 

勤続年数(年齢) 退職金額
5年(27歳) 118万円
15年(37歳) 577万9000円
30年(52歳) 1915万4000円
定年 2563万9000円

 
厚生労働省「令和3年賃金事情等総合調査」表番号13-1より筆者作成
 
図表1より、勤続年数が増えるほど退職金の金額が上がっていることが分かります。
 

退職金にかかる税金にも注意

退職金は、長年働いたことに対する報奨として一時的に支払われる金銭です。退職所得として他の所得と分離して課税され、一般的な所得よりも税負担が軽くなるよう配慮された制度になっています。
 
本項では、退職金にかかる税金や確定申告について解説します。
 

勤続20年以下の場合

退職所得の計算に用いる退職所得控除額は、勤続年数によって基準が異なります。
 
退職所得は下記の式によって計算されます。
 
退職所得=(収入-退職所得控除額)×0.5
 
勤続年数が20年以下の場合、退職所得控除額は40万円に勤続年数をかけた金額です。ただし、80万円に満たない場合には、退職所得控除額は80万円となります。
 

勤続20年超の場合

一方勤続年数が20年超の場合、退職所得控除額は下記の計算式で表されます。
 
退職所得控除額=800万円+70万円×(勤続年数-20)
 
ただし前年以前に退職金を受け取ったことがあるとき、同一年中に2ヶ所以上から退職金を受け取るときなど例外もありますので注意してください。
 

原則として確定申告不要

退職金を受け取ったとしても、原則として確定申告する必要はありません。退職金を受けるときまでに、退職金の支払者に対して「退職所得の受給に関する申告書」を提出することが条件です。
 
「退職所得の受給に関する申告書」を未提出の場合、退職金から20.42%の所得税・復興特別所得税が源泉徴収されるため、確定申告で精算しましょう。
 
また、寄附金控除や医療費控除の適用を受けるなどの事情で確定申告する場合には、確定申告書に退職所得の金額を記載しなければならない点も注意してください。
 

退職金はいくらもらえるのかは勤務先の規定を確認してみて

退職金が支給されるかどうかは、会社の規定によって異なります。退職金が支給される会社でも、勤続年数や会社の規定によって支給される金額が異なりますので、規定を確認してください。
 
また、退職金は退職所得控除として、一般的な所得税とは異なる課税区分となります。原則として確定申告は必要ありませんが、他の控除を適用したい場合など確定申告が必要な場合もありますので、気になる方は税務署などで確認してください。
 

出典

厚生労働省 退職金の金額

厚生労働省 令和3年賃金事情等総合調査 表番号13-1

国税庁 退職金と税

国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)

国税庁 退職所得の計算方法

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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