お金は「物」よりも「経験」に使ったほうが人生をより豊かにする!?
ファイナンシャルフィールド / 2023年5月29日 7時40分
近年の物価高騰や円安の影響で、お金の使い方について、考える機会が増えた人もいるでしょう。お金は「物を買うためのもの」とイメージする人も多いと思いますが、「経験」に使うことがよいともいわれています。 内閣府の世論調査によると、物を買うのではなく、心や生活にゆとりを持ちたい、いわゆる「心の豊かさ」に重きを置いている人の割合は62.0%、対して、物質的な面で生活を豊かにしたい「物の豊かさ」を重視している人は29.6%との結果が出ました。 「心の豊かさ」を重視する人の割合は、1979年の調査で逆転し、以降増加傾向にあります。ではなぜ「経験」にお金を使うとよいのでしょうか? 今回は、「物」ではなく「経験」にお金を使うとよいとされる理由やメリットをまとめました。
「経験」にお金を使うとよい理由は人間の本質?
人間にはもともと「順応力」が備わっています。順応力とは、環境の変化に合わせて、自分の性質や行動が変わることです。
そのため、ずっと欲しかった物を購入しても、そのうち、その物がある生活に慣れてしまいます。購入したときは満足度が高く、幸せを感じますが、慣れるうちに、幸福度は低下してしまうのです。
対して「経験」にお金を使った場合は、経験によって得た記憶が、思い出として永続的に残ります。そのときの「楽しかった」「よい経験をした」という記憶が薄れることはなく、むしろ、喜びや幸福感が増していくとされています。
生活するための物を購入することはもちろん必要ですが、高いブランド物などを購入する際の幸福感は、一時的かもしれません。
同じお金を払うのであれば、物を買ったときの一時的な喜びよりも、経験や体験によって永続的に得られる思い出のほうが、価値が高いといえるのではないでしょうか。
「経験」は幸せホルモンを増やす効果が期待できる
多くの人が、「幸せホルモン」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
「幸せホルモン」とは、人が幸せを感じるために重要とされている、脳内ホルモンの一種です。代表的なのは、セロトニン・オキシトシン・ドーパミンの3種類です。
そのなかでもドーパミンは、目標を達成して褒められたときや、新しいことに挑戦して、刺激や達成感を得たときに分泌されることが分かっています。もちろん、食べる物や生活環境も大きく影響しますが、「経験」で得られる可能性もあるのです。
ドーパミンには、幸福感を得ることによる意欲の向上や集中力アップ、考え方がポジティブになるなど、よい効果が期待できます。これらは、人生の充実感につながるでしょう。
「物」に多くのお金を使うことのリスク
ここでは、「物」に多くのお金を使うことで考えられる、リスクや問題点をまとめました。
物を購入した後にストレスを感じることがある
物を購入することによって感じるストレスもあります。
例えば、高級ブランドバッグを購入した場合、買ったときはとてもうれしくて幸せな気持ちでしたが、汚してしまったり、新作が出て、自分のバッグが古くなったりして、ショックを受けることもあるはずです。
また、新しいバッグを購入したため、前に使っていたものが必要なくなり、どう処分するかを迷うことも少なくないでしょう。このように、物を購入したことによって、ストレスを感じる可能性もゼロではありません。
物は時間がたつにつれて価値が下がる
物は一般的に、時がたつにつれて、古くなったり汚れたりして、価値が低下します。ただ、古着やヴィンテージ物などのように、時がたつにつれて価値が上がるものもありますが、それは限られた一握りのものです。
対して経験は、時がたつにつれてよりよい思い出となり、ときには、自分を成長させてくれるきっかけとなります。
旅行や体験で得た思い出は、いつまでもポジティブな感情とともに記憶に残り、さらにそれを人に話すことで、楽しい時間を過ごせます。
万が一、大きなことに挑戦して失敗してしまっても、その経験を次に生かして、自分を成長させられるかもしれません。このように経験は、どんどん積み重なって、自分にとって大きな価値をもたらすでしょう。
お金を使う「経験」は状況に応じて選ぶことが大切
「経験」にお金を使うことはよいことであるとお伝えしてきましたが、なんにでも、お金をたくさん使えばよいというわけではありません。
「経験」には大きく分けて2パターンあります。旅行などの、普段の生活では体験できないことを経験することと、自分のスキルアップのための経験です。
前者は、リフレッシュ効果やポジティブな感情を得ることができて、楽しかった思い出や刺激として記憶されます。
一方で、スキルアップのための経験も、人生において重要とされています。いわゆる「自己投資」といわれますが、スキルや知識の習得のためにお金を使うことは有効です。
これは、キャリアアップや収入を増やすきっかけになることもあります。結果として、人生の幸福度や満足度を、さらに向上させることにつながるでしょう。
「経験」にお金を使い人生をより豊かにしよう
お金の使い道や価値観は、人それぞれです。しかし「物」ではなく、心を豊かにするための「経験」を重視して、お金を使っている人が多いことも事実です。
自分の人生をより豊かにするためにも、貴重な体験や自己投資などの「経験」に、お金を使ってみてはいかがでしょうか。
出典
内閣府 世論調査 令和元年度 国民生活に関する世論調査 2 調査結果の概要 2. 今後の生活について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
大掃除で必ずチェックしてほしい…「ビニール傘だけではない」お金が貯まらない家に必ずあるもの
プレジデントオンライン / 2024年11月19日 11時15分
-
50代のお金の不安を解消。ライフスタイルのダウンサイジングで得られる安心感
オールアバウト / 2024年11月18日 18時30分
-
4年で1200万貯めた29歳「即やめるべき節約法」【再配信】 極端な電気代節約、ポイント集めは意味がない〈再配信〉
東洋経済オンライン / 2024年11月12日 14時0分
-
「幸せになってほしい」は"有害な言葉"である理由 人生が「なぜか満たされない」ものになる本当の訳
東洋経済オンライン / 2024年11月11日 8時30分
-
「自分は負け組だ」と思った時こそ大チャンス…「生きているだけで百点満点」という最強の思考法
プレジデントオンライン / 2024年11月3日 9時15分
ランキング
-
1ドンキの新作弁当 ご飯に盛り付けた“まさか”の具材とは? 開発担当者が「あえて“本物”よりおいしくしなかった」と語る背景
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月27日 16時14分
-
2エンジン不正の日野自動車、工場敷地の5割売却へ…財務基盤の立て直し図る
読売新聞 / 2024年11月27日 15時31分
-
3アイリスオーヤマ、子ども用おむつ事業参入…王子ネピアと「Genki!」ブランド契約
読売新聞 / 2024年11月27日 19時49分
-
4何副首相、邦人安全「必ず守る」 関西財界、万博で中国と連携確認
共同通信 / 2024年11月27日 19時13分
-
5富裕層が日本株を「今、面白い」と注目している訳 個人投資家は中小型株投資ではプロよりも有利
東洋経済オンライン / 2024年11月27日 8時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください