【セカンドライフの選択肢】「老後も働く」を選んだ人はどのくらいいる?
ファイナンシャルフィールド / 2023年5月30日 8時0分
人生100年時代、定年退職後のセカンドライフでも「働く」という選択肢が加わりました。老後も働いている人は実際にどのくらいいるのでしょうか。また、老後も働くメリットはなにか、考えてみましょう。
セカンドライフはいつから?
「高年齢者雇用安定法」では、定年制度や継続雇用制度など、高年齢者の雇用・就業機会の確保のために、それぞれの企業が講じなければならない措置が規定されています。
令和3年(2021年)4月に70歳までの就業機会の確保措置が規定されました。70歳までの定年年齢の引き上げを義務付けるものではありませんが、事業主として努力義務を設けたものです。定年年齢の実態はどうなっているのでしょうか?
厚生労働省「令和4年就労条件総合調査 結果の概況」によると、一律に定年制を定めている企業のうち、定年を60歳としている企業は72.3%、65歳とする企業は24.5%です。
一律に定年制を定めている企業のうち、勤務延長制度や再雇用制度を設けている企業は全体で94.2%で、「再雇用制度のみ」が63.9%、「勤務延長制度のみ」が10.5%、「両制度併用」が19.8%という結果です。
再雇用制度とは定年でいったん退職させた後に再び雇用する制度、勤務延長制度とは定年後も退職させることなく引き続き雇用する制度です。
どちらも定年後働き続けられる制度ですが、再雇用は新たな労働条件で雇用契約を結び直すものなので、収入が下がることもあります。制度としては、年金の受給が開始される65歳まで働ける環境が整ってきています。セカンドライフは65歳から、と考えてよいでしょう。
65歳以上で働いている人は実際にどのくらいいるのか
2022年敬老の日に公表された、総務省統計局「統計からみたわが国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」によると、2021年の65歳以上の就業者数は909万人です。就業者とは、月末1週間に収入を伴う仕事を1時間以上した者、または月末1週間に仕事を休んでいた者をいいます。
65歳以上の人口に占める就業者の割合は25.1%です。就業者のうち、役員を除く雇用者が57.6%、自営業主・家族従業者が30.1%、会社などの役員が12.4%です。
65歳以上の4人に1人は働いていますが、雇われて働いている人は5割強、残りは自営業、会社経営です。働くといっても、雇われることだけではないということです。
老後も働くメリット
働くと収入が増えることはもちろんのこと、生きがいが増えることがメリットの1つです。人生100年とすると、60歳定年だと40年、65歳定年だと35年のセカンドライフがあります。社会人となってから定年までの期間と比べてみても、セカンドライフはそれとほぼ同じぐらいの期間があります。
すべての人が100歳まで長生きするとは限らないものの、セカンドライフは十分に長いです。働くことで社会から必要とされていることを実感すれば、よりイキイキと暮らせるかもしれません。
一日中家にこもってテレビを観て過ごし、家族とはあまり会話がない、そんな残念なセカンドライフは送りたくない。とはいえ、趣味ややってみたいことにはお金がかかる。
そんなことを考えている方にとっても、働くことで収入に少し余裕ができ、新たな楽しみに挑戦しやすくなるのではないでしょうか。長いセカンドライフに「働く」という選択肢を加えることで、心も体も健やかに過ごしたいものです。
出典
厚生労働省 高年齢者雇用安定法の改正 〜70歳までの就業機会確保〜
厚生労働省 令和4年就労条件総合調査 結果の概況
総務省統計局 統計トピックスNo.129 統計からみた我が国の高齢者 -「敬老の日」にちなんで-
執筆者:正田きよ子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
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