「時短勤務」なのに毎日「2時間」の残業!? 残業代は支払われる? 育児を理由に「残業免除」は可能?
ファイナンシャルフィールド / 2023年5月30日 10時30分
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育児との両立を考えて時短勤務を選んだにもかかわらず、毎日2時間ほど残業してしまい、事実上フルタイムと変わらないような働き方をしている人もいるかもしれません。それにより保育園への送迎もできず、毎回パートナーや両家の両親に頼らざるをえないパターンもあるかもしれません。 本記事では、時短勤務で残業をした場合に残業代はつくのか、また育児を理由に残業の免除は認められないのか解説します。
時短勤務でも残業代はつく
「時短勤務は残業しても残業代が発生しない」と思われる人もいるかもしれませんが、そのようなことはありません。通常の残業と同様に要件を満たせば残業代が発生します。
例えば、時短勤務で1日6時間であるにもかかわらず、毎日2時間残業すると事実上「フルタイムで1日8時間勤務する」のと変わりません。労働基準法32条をもとに法定労働時間は1日8時間、週40時間となっているため、この時間内におさまる場合は法定内残業をしたことになり、割増なしの通常賃金が支払われます。
一方でもし1日3時間や4時間など、法定労働時間を超える残業を行った場合は時間外労働となり、法定労働時間を超える部分については一般的な残業と同じように割増賃金が支払われます。
育児を理由に残業の免除は認められる
時短勤務の労働者は所定労働時間が、今回の事例だと1日8時間から6時間に短縮されているだけで、それ以上働いてはいけないわけではありません。
法定労働時間を超えても「36協定」が締結されている場合などは、割増賃金を支払えば残業が可能になります。
ただし、一定の要件を満たす時短勤務の労働者が会社に残業の免除申請を行うと、会社側は本人に残業をさせることはできません。育児・介護休業法によってその権利が認められているからです。
具体的には第16条の8で所定外労働の制限が規定され、第17条で「制限時間(1月について24時間、1年について150時間をいう)を超えて労働時間を延長してはならない」とされて時間外労働が制限されています。第19条においては22時から5時までの深夜時間帯の労働を制限する旨が定められています。
所定外労働の制限は「3歳に満たない子を養育する労働者」、時間外労働の制限は「小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者」がそれぞれ対象です。
ただし下記のような労働者は適用除外となり、請求できないので注意しましょう。
●当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者
●1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
●日雇い労働者
それぞれの労働制限は自動的に適用されるわけではないので、必ず手続きを行いましょう。制限の請求は1回につき、1ヶ月以上1年以内の期間について、その開始の日および終了の日を明らかにして制限開始予定日の1ヶ月前までにする必要があります。分からない場合は総務や人事などの担当部署に問い合わせてみましょう。
場合によってはフルタイム復帰も検討する
育児・介護休業法によって労働制限が認められているものの実際は利用が難しく、復帰前と同じくらい働かざるをえないこともあるかもしれません。そのような場合は、業務を分担したり、上司に相談したりして自身が業務時間内に仕事を終えられるように取り組みましょう。
しかし、時短勤務のままだと基本給が下がり、賞与(ボーナス)も通常に比べると低くなることも考えられるため、折を見てフルタイム勤務に復帰することも考えておくと良いでしょう。
まとめ
今回は、時短勤務なのに毎日2時間残業している場合に残業代はつくのか、育児を理由に残業の免除は認められるのか解説しました。
育児・介護休業法の規定により労働時間の制限を請求することができます。時短勤務なのに残業ばかりで困っている場合は手続きすることをおすすめします。業務量が多い場合は社内で相談したり、割り振りを考えたりすることが大切です。それでも難しい場合は、フルタイム勤務への復帰を早めることも一つの手段かもしれません。
出典
厚生労働省 労働時間・休日
厚生労働省 育児・介護休業法のあらまし
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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