子育て世帯の年収は「813万円」!?「児童手当」の見直しポイント3つも確認!
ファイナンシャルフィールド / 2023年5月31日 10時10分
「子育てはお金がかかる」と思っている人は多いでしょう。では、子育て世帯の年収は平均よりも高いのでしょうか。本記事では、子育て世帯の世帯年収を紹介します。 また、お金のかかる子育てを支援するための施策として2023年3月31日に政府が公表した「児童手当の見直しポイント」についても解説するので、ぜひ参考にしてみましょう。
子育て世帯の年収
厚生労働省の発表によると、児童のいる世帯の平均所得は図表1のとおりです。
図表1
厚生労働省 2021年国民生活基礎調査の概況
児童のいる世帯の場合、総所得の平均は813万5000円です。そのうち、働いて稼いだ所得(稼働所得)は733万4000円となっています。
子どもがいない世帯も含めた「高齢者世帯以外の世帯」の総所得は685万9000円、稼働所得は575万8000円のため、子育て世帯は所得が高い傾向です。
子どもの教育費などのために共働きをする夫婦が多いなど、子育て世帯の年収が高い理由はさまざまな推測ができますが、現状としては子育て世帯は高所得となっています。
児童手当の見直しポイント3つ
少子化を止めるため、政府は子育て政策の強化を検討しています。その施策の1つが、「児童手当の見直し」です。こども政策担当大臣が公表した「こども・子育て政策の強化について(試案)」には、以下のとおり記載があります。
(1)児童手当の拡充~全てのこどもの育ちを支える制度へ~
〇 児童手当については、次代を担う全てのこどもの育ちを支える基礎的な経済支援としての位置付けを明確化する。このため、所得制限を撤廃して、支給期間を高校卒業まで延長するとともに、多子世帯が減少傾向にあることや経済的負担感が多子になるほど強いこと等を踏まえ、手当額についても、諸外国の制度等も参考にしつつ、見直しを行う。
〇 対象や金額など見直しの具体的内容については、今後、財源の議論と併せて検討し、骨太の方針2023までに結論を得る。
本記事では、児童手当の拡充案を「支給期間の延長」「所得制限の撤廃」「支給額の増額」の3つのポイントに分けて解説します。なお、児童手当の拡充案はあくまでも試案です。内容が確定しているわけではないことに注意する必要があります。
支給期間の延長
1つ目の見直しポイントは「支給期間の延長」です。
現在の児童手当は、支給期間が0歳から中学卒業までです。こども政策担当大臣が発表した試案では、支給期間終了時期の高校卒業までへの延長が検討されています。
仮に子どもが高校生の間も月1万円の手当が支給されれば、合計でもらえる児童手当は36万円の増額です。支給期間の延長が実現すれば、多くの子育て世帯の家計を助けることになるでしょう。ただし、16歳から18歳への扶養控除が廃止になる可能性もあるため、注意が必要です。
所得制限の撤廃
2つ目の見直しポイントは「所得制限の撤廃」です。現在の児童手当は、親の所得が一定以上になると支給額が減額されたり、支給が停止されたりします。
しかし、試案によると、所得制限の撤廃が検討されています。所得制限の撤廃が実現すれば、今まで所得が高いために児童手当をもらえなかった子育て世帯も児童手当を受給可能です。
支給額の増額
3つ目の見直しポイントは「支給額の増額」です。現在の児童手当の支給額は、満額で図表2のとおりとなっています。
図表2
内閣府 児童手当制度のご案内
※児童を養育している人の所得が所得制限限度額以上、所得上限限度額未満の場合は、特例給付として月額一律5000円を支給
※「第3子以降」とは、高校卒業まで(または、18歳の誕生日以降、初めて迎える3月31日まで)の養育している児童のうち、3番目以降を指す
図表2のとおり、現在は児童の年齢により月1万~1万5000円が支給されます。
まだ支給額がいくらに見直されるのかの具体的な公表はありませんが、支給額が増額になれば子育て世帯にとって大きな支援となるでしょう。
まとめ
子育て世帯の年収は813万5000円と聞くと、高年収と感じるかもしれません。ただし、共働きや子どもが多いなどの場合は、あまり余裕を持てないと考えられます。
児童手当が拡充されれば、子育て世帯はより多くの手当を受け取れます。子育てでの金銭的な負担が少しは軽減されるでしょう。ただし、16歳から18歳への扶養控除廃止の可能性なども浮上しているため、今後の動向を注視しましょう。
出典
厚生労働省 2021年国民生活基礎調査の概況
内閣官房 こども政策担当大臣 こども・子育て政策の強化について(試案)
内閣府 児童手当制度のご案内
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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