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寝過ごして「山手線」を一周! 運賃はどうなるの?

ファイナンシャルフィールド / 2023年6月2日 2時30分

寝過ごして「山手線」を一周! 運賃はどうなるの?

忙しい日々を送る現代人にとって、電車の中は休息の時間になりがちです。しかし、その結果、予定の駅を通り過ぎてしまうことも珍しくありません。特に東京の中心を巡る「山手線」では、一周すると戻ってくるため、寝過ごしても大丈夫と考える人がいるかもしれません。   本記事では、山手線を一周してしまった場合の運賃について、考えてみましょう。

JR山手線について

山手(やまのて)線は、東京都心を一周する形で走るJR東日本の路線です。全30駅を結び、一周するのに約1時間を要します。内回りと外回りの2つの方向があり、どちらも1日中運行しています。山手線はビジネスマンから観光客まで幅広い人々に利用されており、平日の通勤時刻になると一部の列車が混雑することは有名です。
 
しかし、それ以外の時間帯では、比較的空いており、座席に座ることは難しくないため、寝過ごして一周する可能性はじゅうぶんに考えられます。
 

JR乗車券のルール:大回り乗車について

一般的には、乗車券は出発駅から目的地駅までの運賃を支払った証となり、最短のルートで乗車することが原則です。ところが、JRには「大回り乗車」という考え方があります。これは、最短ルートより長い距離を経由しても、その分の追加運賃が発生しないというものです。
 
詳細については、JR東日本のウェブサイトに掲載されている「運賃計算の特例」という規則を説明したページで確認できます。そこには「大都市近郊区間内」と呼ばれる決められた範囲内を利用する場合に限っての特例的措置が説明されているのです。
 
例えば、東京には「東京近郊区間」と呼ばれる範囲が設定されています。そこでは、実際に乗車する経路にかかわらず、最も安い経路の運賃が適用されるのです。なお、「大都市近郊区間内」は、東京のほかに新潟、仙台、大阪、福岡にも設定されています。
 
この「運賃計算の特例」の利用は、同じ駅を2回使わないことが前提になっています。例えば、山手線の渋谷から外回りに新宿・池袋・上野・東京・品川・目黒などの各駅を経由して乗ってきたとします。このとき、渋谷駅の1つ手前の恵比寿駅で下車するのであれば、渋谷駅と恵比寿駅間の1駅分の運賃が正規料金とみなされます。
 

山手線を一周してしまった場合には

もし、寝過ごしてしまったりして、渋谷駅から一周回って同じ渋谷駅で降りた場合にはどうなるでしょうか。山手線は一周が34.5キロメートルなので「東京の電車特定区間運賃表」によれば、営業キロ31-35区分となり580円です。
 
ただし、この場合では、上記の例の大回り乗車してきた渋谷駅と恵比寿駅間の運賃に、さらに渋谷駅と恵比寿駅間の1駅分の運賃を追加すればよいのです。つまり、渋谷駅と恵比寿駅間の運賃150円の倍となる300円を支払えばよいことになります。
 

運賃が分からないときには駅係員に聞いてみましょう

寝過ごしてしまい、山手線を一周したときにいくら支払えばよいのか、不明な場合には、駅の改札で係員に事情を説明すれば、すぐに運賃を計算してもらえます。ただし、きちんと説明せずに正規に必要な運賃を支払わずに改札から出ようすると、不正乗車とみなされます。この場合、通常の運賃の3倍を支払うことになりかねないので、じゅうぶんに注意しましょう。
 
※ 2023/6/2 記事を一部、修正いたしました。
 

出典

JR東日本 きっぷあれこれ 運賃計算の特例

JRおでかけネット きっぷのルール 電車特定区間の普通運賃表

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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