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「退職するから」とボーナスが大幅に減額! これって「違法」ですか?

ファイナンシャルフィールド / 2023年6月6日 10時10分

「退職するから」とボーナスが大幅に減額! これって「違法」ですか?

退職日前にボーナス支給日があり、支給明細を見ると大幅にボーナスが減額されていたという経験がある人もいるのではないでしょうか。このような場合、「退職する身だから仕方ない」と納得する人も多いかもしれません。しかし、ボーナスの不支給や減額は違法になる場合があります。   本記事では、ボーナスの定義と、ボーナスの不支給や減額が、法的に許される場合と違法になる場合を解説します。

原則ボーナスの不支給・減額は違法にならない

まずボーナスの定義と、ボーナスの不支給と減額が違法にならない理由を解説します。
 

労働基準法におけるボーナス(賞与)の定義

労働基準法では、ボーナスは賃金として位置付けられており、ボーナスの支給条件などの決めごとや支給義務もありません。したがって、ボーナス支給の有無、支給回数などの条件は会社側が自由に設定できます。つまり、ボーナスの支給がない会社もあれば、支給が年に1回の会社も存在するのです。
 

業績などの原因でボーナスの不支給や減額は違法にならない

前述のとおり、ボーナスの支給条件は会社側が就業規則に自由に定められます。例えば、業績不振や従業員の勤務評価、将来の期待などを考慮して、ボーナスを減額するような条件を記載できるのです。
 
つまり、会社の業績不振などが原因であれば、ボーナスを支払わなかったり、減額したりすることは、法律上問題ありません。
 

違法になる場合

原則として、ボーナスの不支給や減額は違法になりません。しかし、次のような場合では違法となる可能性があります。
 

ボーナスカットの明確な根拠がない場合

ボーナスを減額されるようなミスはしておらず、さらに会社の業績も悪くないのにもかかわらず、ボーナスが支払われなかったり、大幅に減らされたりする場合です。その場合で会社側が明確な減額理由などを示せないのであれば、違法となる可能性があります。
 

退職の理由だけで不支給や大幅な減額をする場合

ボーナスは、従業員の勤務評価や会社の業績不振、将来の期待に基づいて支給されると解説しました。したがって、ボーナスの支給算定に「将来への期待値」も含まれていることから、退職を決定した従業員のボーナスが減額される場合もありえます。
 
ただし、退職するという理由だけでボーナスが支払われなかったり、非退職者と比べて大幅に減らされていたりする場合は、違法になる可能性があるでしょう。過去には、退職を理由にボーナスを8割減額された社員が企業側と争った結果、裁判所は「8割減額は不当。2割減額までが妥当」との判決を下した事例があります。
 

減額されたら就業規則を確認しよう

ボーナスの支給は法的に義務づけられておらず、支給条件は会社側が自由に決められます。したがって、業績不振や従業員の勤務評価などが原因で、ボーナスの不支給や減額になることは違法にはなりません。ただし、明確な根拠がない場合や、退職が原因だけで不支給や減額になった場合は違法の可能性があります。
 
そのような場合は、会社の就業規則を確認して、不支給や減額が不当でないか、確認しましょう。自分で解決できそうにない場合は、弁護士などの専門家に相談してみることをおすすめします。
 
執筆者:辻本剛士
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、宅地建物取引士、証券外務員2種

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