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職場で大量の「印刷ミス」を出してしまった!「次は給料から引く」と言われたけれど「自腹」になる?

ファイナンシャルフィールド / 2023年6月6日 10時0分

職場で大量の「印刷ミス」を出してしまった!「次は給料から引く」と言われたけれど「自腹」になる?

真面目に働いていても、ときにはミスをしてしまうこともあるでしょう。ミスによって会社に損失が出た場合、従業員は自腹で賠償しないといけないものなのでしょうか。そこで、職場で大量の「印刷ミス」を出してしまい、「次やったら給料から引く」と言われた場合、法律的に従わなくてはならないものなのか、解説していきます。

会社が損害賠償請求できる場合とは?

職場で従業員がミスをしてしまった際、会社が損害賠償を請求できるケースとできないケースがあります。従業員が労働契約に違反した場合、「債務の不履行」と見なされ、民法第415条に基づき、会社は従業員に損害賠償請求することが可能です。また、従業員が「不法行為」をした場合も、民法第709条によって、会社は損害賠償請求をすることができるのです。
 
ただし、会社は利益を追求している以上、損失が出た場合も責任を負う義務があると見なされます。そのため、従業員の重過失によって損害が出た場合でも、一般的には損害賠償額は減額されます。
 
従業員の地位や労働条件をはじめ、加害の様態によって、どのぐらい減額されるかは変わるでしょう。一方、従業員が横領したり故意に不正行為を行ったりした場合、減額はされず、全額損害賠償を請求することが可能です。
 

給料からの相殺は違反?

労働基準法第24条によって、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と定められています。そのため、所得税の源泉徴収など、特別の規定の場合を除いて、ミスしたことを理由に従業員の給料から損害額を差し引くことはできません。
 
たとえそれが従業員の債務不履行や不法行為による損害賠償請求であったとしても、判例上は原則として給料から差し引くことはできないのです。
 
万が一、従業員がミスしたからという理由によって給与から損害が出た額を差し引いた場合、会社は労働基準法第120条第1号に違反したことになります。そのため、30万円以下の罰金の罰則を受ける可能性があるでしょう。
 
ただし、判例上、従業員と会社の間で給料から差し引くことに対して合意があり、合理的な理由がある場合は、給料から相殺しても原則としては問題ないとされています。
 
職場で大量の「印刷ミス」を出してしまった場合、従業員は債務の不履行をしたわけでも不法行為をしたわけではありません。会社は利益を追求している以上、損失が出た場合も責任を負う義務があります。
 
そのため、印刷ミスで損害が出たからといって、従業員に損害を負わせることはできません。ましてや給料から損害額を差し引くことなどできないのです。とはいえ、ミスはしないに越したことはありません。次から気をつけるようにしましょう。
 

賠償責任なし! 損害分を給料から差し引くのは違法

職場での「印刷ミス」で会社に損害が出たとしても、従業員には賠償する義務はありません。また、会社が「損害分を給料から差し引く」という行為は法律違反になります。ただし、例外もあります。いざというときに備えて、どういった場合に損害賠償をしなくてはならないのか、しなくてもいいのかをしっかり押さえておくようにしましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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