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【生命保険】解約返戻金のある生命保険のメリットとは?

ファイナンシャルフィールド / 2023年6月7日 11時10分

【生命保険】解約返戻金のある生命保険のメリットとは?

生命保険には、終身保険のように解約返戻金(かいやくへんれいきん)の「ある」保険と、短期定期保険のように解約返戻金が「ない(あってもわずかな)」保険があります。解約返戻金の「ある」保険は、「ない」保険に比べ保険料が高いものの、「ない」保険にはないメリットがあります。

解約返戻金とは

保険期間の途中で契約者等が保険契約を解約したときに、生命保険会社が契約者に払い戻す金額を「解約返戻金」といいます。解約返還金、解約払戻金という生命保険会社もあります。
 
解約返戻金の多寡は保険種類(定期保険、終身保険など)、保険期間(10年、終身など)によって異なります。
 
たとえば、定期保険でも保険期間10年満了の保険では解約返戻金はないか、あってもごくわずかですが、98歳満了であれば、中途解約した場合に多額の解約返戻金を得られる可能性があります。ただし、定期保険は保険期間満了時には解約返戻金はゼロになります。
 
解約返戻金は、契約者が払い込んだ保険料の一部を「責任準備金」として積み立て、そこから保険会社の経費を差し引いて契約者に払い戻されますものです。したがって、解約返戻金は、通常、支払保険料よりも少ない額です。
 
なお、解約返戻金は契約者が任意に解約した場合のほか、「失効」した場合、「告知義務違反」があった場合、保険金額を「減額」した場合などにも解約返戻金相当額が支払われます。
 

[用語]

*責任準備金
責任準備金とは、保険会社が将来の保険金給付や解約返戻金支払い等に充てるために、保険料や運用収益を財源として積み立てておく必要がある準備金のことです。
 
*失効
保険料の払い込みが遅れて、払込猶予期間が経過すると、契約が失効し契約は効力がなくなり、万一の場合、保険金などが受け取れません。失効後、解約返戻金があれば、契約者の請求に応じて支払われます。
 
*告知義務違反
生命保険を契約する際、契約者または被保険者は、書面または医師から口頭で求められた健康状態についての質問事項に対して告知する義務があります。
 
故意または重大な過失で、このような事実を告知しないなどの場合には告知義務違反となり、生命保険会社はその契約を解除できます。なお、告知義務違反によって契約を解除した場合、解約返戻金があれば払い戻されます。
 
*減額
保険契約の一部を解約して保障額を減らすことです。減額部分に相当する解約返戻金が払い戻されます。
 

解約返戻金がある保険の種類

貯蓄性の高い生命保険では、保険料のうち責任準備金として積み立てられる金額の割合が大きいので、加入期間が長いほど解約返戻金の金額も増えていきます。なお、中途解約時の解約返戻金が大きい定期保険は期間満了時にはゼロになります。
 
たとえば、養老保険、学資保険、個人年金保険、終身保険、長期平準定期保険などがあります。
 

解約返戻金がない保険の種類

解約返戻金がないか、あったとしてもわずかである保険として、短期定期保険、医療保険、がん保険、収入保障保険などがあります。
 

解約返戻金がある保険のメリット

解約返戻金がある保険が、保険契約を継続しながら利用できる制度として以下のものがあります。
 

払済保険

以後の保険料の払い込みを中止して、その時点での「解約返戻金」を一時払いとして同じ種類、同じ期間の保険の保険料に充当し、保険金額を減額する制度です。元の契約の特約は消滅します。
 

延長保険

以後の保険料の払込を中止し、その時点での「解約返戻金」を保険料に充当し定期保険にすることです。保険期間は短くなり、元の契約の特約は消滅します。
 

自動振替貸付

保険料の払込みが遅れて、払込猶予期間が経過すると、契約が失効します。この失効を防ぐため、「解約返戻金」の範囲内で、未払い保険料相当額を保険会社が立て替える制度です。
 

契約者貸付

「解約返戻金」の範囲で契約者が受けられる貸付制度です。
 
以上の点に留意して保険を選びましょう。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー
 

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