6月から電気料金が値上げ!「4人家族」だと電気代はどれだけ上がる?
ファイナンシャルフィールド / 2023年6月8日 2時0分
生活するうえで必要なもののひとつとして電気が挙げられます。しかし、2023年6月以降、大手電力会社7社が電気料金(規制料金)の値上げを決定しました。さまざまなものが値上がりしたことで節約に励む家庭もあるなか、電気料金の値上げがさらなる負担になるのではと不安を感じている人も多いようです。 そこで、本記事では6月以降、4人家族の家庭では電気代がどの程度上がるのかについて解説します。
大手電力会社が最大39.7%の値上げ
2023年6月以降、電気料金(規制料金)の値上げを決定した電力会社は7社です。値上げ幅が最も小さいのが東京電力エナジーパートナー株式会社の平均15.9%、最も大きいのが北陸電力株式会社の平均39.7%となっています。
・電気料金の値上げの理由とは
日本では火力発電が多く、その燃料である石炭や液化天然ガスの輸入価格が高騰しており、燃料費調整額を値上げせざるを得ない状況です。また、電力会社など電力小売事業者が一般送配電事業者に支払う託送料金(送配電網の利用料)の値上げも電気料金に影響しています。
・将来的には日本全体で電気料金が値上げ
規制料金とは、法的に電気料金、燃料費調整額などの上限が決められているプランです。ただし、経済産業大臣の認可があれば値上げ可能で、いずれ規制料金は廃止される予定になっていることから経過措置料金と呼ばれています。2023年6月から電気料金を値上げしなかった電力会社もありますが、将来的には日本全体で電気料金が値上げされる見込みです。
1ヶ月当たりの電気料金が約1700~4400円の値上がりに
今回は4人家族を想定して、電気料金の値上げがどの程度影響するのかを見てみましょう。総務省統計局が発表した家計調査「家計収支編(2022年度調査)」によると、4人世帯の電気料金は1ヶ月当たり1万3948円(年間16万7376円)です。
そこで、値上げを発表した7社のうち、最も値上げ幅が小さい東京電力エナジーパートナー株式会社と、最も値上げ幅が大きい北陸電力株式会社を例に1ヶ月当たりの電気料金がどの程度変わるのかについて算出しました。
平成26年に東京都が調査した「家庭のエネルギー消費動向実態調査」によると、4人世帯の1ヶ月当たりの電気使用量は戸建で436kWh、集合住宅で316kWhでした。そこで、今回は従量電灯Bで30Aの契約、1ヶ月当たり350kWh程度使用した場合を設定しています。
一般的に、電気料金の計算式は「基本料金+電力使用量金+燃料調整費+再生エネルギー発電促進賦課金」です。再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価は1kWh当たり1.4円になっています。
・最も値上げ幅が低い場合でも1ヶ月当たり約1700円の値上がり
東京電力エナジーパートナー株式会社の基本料金(現行料金)が885.72円(特定小売供給約款に基づいた料金単価+2023年4月分の燃料費調整単価)で、値上げ後も変化ありません。
電力量料金については、120kWhまでが25.04円から30.00円に、121~300kWhの場合が31.64円から36.60円に、300kWh以上が35.73円から40.69円に値上がりします。
電気料金は現行料金で「885.72円+1万486.5円+490円」となります。つまり、1ヶ月で1万1862.22円です。値上がり後は「885.72円+1万2222.5円+490円」で、1ヶ月で1万3598.22円となり、1736円高くなります。
・最も値上げ幅が大きい場合で1ヶ月当たり約4400円値上がり
北陸電力株式会社の基本料金は907.5円、電力量料金は120kWhまでが1kWh当たり18.22円、121~300kWhまでが22.11円、300kWh以上が23.82円となっています。
値上げ後は、基本料金は変化なし、電力量料金は120kWhまでが1kWh当たり30.83円、121~300kWhまでが34.72円、300kWh以上が36.43円です。燃料調整費は国の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」によって7円/kWhが差し引かれているため、1kWh当たりマイナス5.23円です。
電気料金は値上げ前で「(907.5円+7357.2円+490円)ー1830.5円」となり、1ヶ月で6924.2円です。値上げ後の計算式は「(907.5円+1万1770.7円+490円)-1830.5円」となるため、1ヶ月当たり1万1337.7円になります。値上げ前より4413.5円高くなります。
積極的に電気料金の節約ができる工夫をすることが重要
大手電力会社7社が2023年6月から値上げすることを発表しました。利用している電力会社や電力の使用量などによりますが、電気料金は1ヶ月当たり1700~4400円、年間にして2~5万円程度高くなる計算です。
特に夏や冬はエアコンを利用する家庭が多くなるため、電気料金が非常に高くなることが予想されます。電気料金節約のため、無理のない程度に節電できる工夫をしましょう。
出典
総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 第3-1表(2022年)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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