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「仕事が遅いのが悪い」と残業代が払われない! 本当に請求できないの?

ファイナンシャルフィールド / 2023年6月11日 10時10分

「仕事が遅いのが悪い」と残業代が払われない! 本当に請求できないの?

業務量によっては残業を余儀なくされることもあります。会社によっては残業を認めないケースも少なくありません。   しかし、「仕事が遅いのが悪い」という言い分で残業代を払わないことは許されるのでしょうか。今回は、従業員側に責任を押しつけられたときの残業代の請求について、労働基準法をもとに解説していきます。

残業代は支払うのが原則

結論からいえば、従業員に残業をさせたときは、会社側は残業代を支払うのが原則です。たとえ従業員の仕事が遅いと感じても、それは残業代を払わない正当な理由にはなりません。
 
労働基準法では1日の労働時間を8時間までとしており、それを超えた労働に対しては残業代を支払うこととしています。なお、時間外労働で発生するのが割増賃金です。割増賃金は、通常の賃金より25%以上の額で支払う必要があります。
 
例えば、通常の賃金が1時間1000円の従業員なら割増賃金は250円です。つまり、この場合は1時間の時間外労働に対して最低でも1250円支払わなければなりません。また、時間外労働が1ヶ月60時間を超えたときは50%以上の割増賃金が必要です。
 

残業代をもらえないときの対処

説明したように、時間外で仕事をしたときは残業代をもらう権利があります。上司や雇用者から「仕事が遅い」といわれても諦めることはありません。残業代が支払われないときは、きちんと請求しましょう。
 
過去にも支払われていない分があれば、合わせて請求が可能です。会社によってはタイムカードを押さないよう仕向けるケースもありますが、それは違法になります。
 
残業したときはタイムカードを押すなど記録を残し、そのうえで請求しましょう。もしも応じてくれないときは、所轄の労働基準監督署に相談することもできます。
 

仕事の内容や量によってはパワハラの可能性も

仕事が遅いといわれたら、仕事の量や内容が処理能力を超えていることもあります。1人では処理できない量や内容の仕事を任されたときは、パワハラに該当します。
 
退社時間が迫ってから過大な仕事を頼まれるのも、達成が難しいノルマなどもパワハラです。残業について疑問に感じるときは、仕事の量や頼まれるタイミングに問題はないか考えてみましょう。該当しているようなら、パワハラを視野に入れる必要が出てきます。
 
そして、できるだけ早めに解決する必要があります。社内に専門部署があれば、そこで相談するのも1つの解決策です。会社によってはハラスメントについて相談できる部署を設けています。
 
残業代の支払いも含め、パワハラの可能性について相談すれば解決することもあります。もしもそういった部署がないときや、解決に至らないときは労働基準監督署へ相談しましょう。
 

仕事が遅い場合でも残業代を払ってもらう権利がある

会社によっては、従業員に無理なことを押し付ける場合もあります。「仕事が遅いのが悪い」といった言い分は、残業代を支払わない理由にはできません。
 
労働した以上、正当な賃金を支払うのは雇用者の義務ですし、受け取るのは労働者の権利です。理不尽な言い分で残業代が支払われないときは、諦めずにしっかり請求しましょう。
 

出典

厚生労働省 法定労働時間と割増賃金について教えてください。
東京労働局 しっかりマスター労働基準法
厚生労働省茨城労働局 職場でつらい思いしていませんか?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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