「早期退職」って結局お得なの? メリットと注意点をよく確認して選択しよう!
ファイナンシャルフィールド / 2023年6月15日 10時0分
日本企業は終身雇用が一般的でしたが、近年は早期退職制度を導入している企業も増えています。早期退職制度は企業にとっては人件費削減や組織再編成などの効果が見込めますが、働く立場からしてもメリットがあります。 ただし、早期退職をする際には注意点も認識しておかなければなりません。本記事では、早期退職制度のメリットと注意点について解説します。
早期退職とは
早期退職制度とは、従業員が定年よりも早い時期に、自分の意思によって企業を退職できる制度です。
東京商工リサーチが2021年におこなった調査によると、上場企業を含む大企業の約2割が今後の検討を含め、早期退職・セカンドキャリア制度を導入すると回答しています。今後も早期退職制度を導入する企業は増えるのかもしれません。
早期退職のメリット
早期退職制度と聞くと、「企業が人員整理をしたいために設置している制度」といったネガティブなイメージをもつ人もいるかもしれませんが、従業員としても選択することで、さまざまな恩恵が期待できます。
次に、早期退職を選択するメリットをいくつか見ていきましょう。
「割り増し」された退職金が受け取れる
企業は早期退職を促進するために、早期退職した場合の退職金を通常よりも割り増しする場合があります。
実際、厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」によると、大学・大学院卒の人が通常の定年退職で平均1983万円の退職金がもらえるのに対し、早期退職では2326万円が平均です。なお、割増額は全員一律の場合もあれば、勤続年数や年齢などによって差があるなど、企業によって異なります。
早めに独立・開業できる
定年退職後に独立・開業しようと考えている場合、早期退職をすることで早めの独立・開業が可能です。独立・開業には心身の充実が不可欠ですが、より若いうちに行うことで、事業の成功につなげられる場合があります。割り増しされた退職金も、独立・開業を支える一因となるでしょう。
転職活動を有利に進められる
転職活動の際には退職理由を聞かれますが、定年退職前にあえて早期退職制度を利用した理由を説明すると、面接官から主体的で前向きと評価してもらえるかもしれません。
また、企業によっては早期退職を選択した後に、再就職支援を行ってくれる場合があります。自分で一から転職活動をするよりも効率的に活動できるでしょう。
早期退職の注意点
メリットも多い早期退職ですが、注意すべき点もあります。代表的なのは、早期退職した後の生活が不安定となる可能性についてです。
早期退職をしても、その後すぐに再就職できるとは限りません。基本的には年齢が上がるほど採用は厳しくなり、再就職支援の制度がない企業もあります。再就職できるまでは無収入なので、退職金や貯蓄でやり過ごさなくてはなりません。失業保険も受け取れますが、早期退職は自己都合なので、受け取り始めるまで時間がかかります。
また、再就職先での賃金も、前の企業よりもかなり下がる可能性もあるでしょう。そして、無収入の期間や賃金の低下は、老後に受け取る年金受給額が減ることにもつながります。
早期退職という選択肢も検討しよう
早期退職をすることで、独立・開業をスムーズに進められるなど、充実したセカンドライフを得られるかもしれません。とはいえ、早期退職には再就職の問題など、注意すべき点もあります。早期退職はあくまでも人生を充実させるための1つの選択肢として、いろいろな側面から検討していきましょう。
出典
東京商工リサーチ 「早期退職やセカンドキャリアに関するアンケート」調査
厚生労働省 平成30年就労条件総合調査 結果の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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