【知らないと損!】「自転車保険への加入が義務化された」は間違い!? 理由を解説
ファイナンシャルフィールド / 2023年6月16日 2時10分
「自転車保険」が義務化されたとの情報を得て、新しく保険に加入しなくてはと思っていませんか? 実は「自転車保険」への加入が義務化されたわけではありません。 本記事では、何が義務化されたのか、実際どうすればよいのか、解説します。
義務化する自治体が増えたのはなぜ?
国土交通省では、自転車損害賠償責任保険等への加入促進を行っています。なぜなら、自転車に乗っているときに起こった事故で加害者が高額な賠償金を支払えず、被害者が泣き寝入りする事例が出てきたからです。被害者救済の観点から加入促進に至りました。
例えば、2013年に自転車に乗っていた小学生の男の子が歩行中の女性と正面衝突し、女性が意識不明の状態となった事故では、約9500万円の賠償金支払いが命じられています。
※子どもの年齢や状況などによりますが、子どもが起こした事故は基本的に親権者の責任となります。
このような事例が発生し、国も自転車損害賠償責任保険等への加入を促進するようになったため、加入を義務化する都道府県が増加しました。加害者・被害者の双方を守ってくれる賠償責任保険は、義務化されていなくても備えておくべき保険といえます。
「自転車保険への加入が義務化された」は間違い
国土交通省が示した「自転車損害賠償責任保険等」は、この名称から「自転車保険の加入が義務化された」「自転車保険に加入せねば違法だ」といった、間違った認識が広まっています。
国土交通省は、「自転車損害賠償責任保険等」と、ホームページに記載しています。「等」がついていますし、「自転車保険」とは記載されていません。
つまり、自転車保険でもいいし、他の賠償責任保険でもいいです。「事故を起こしたときに被害者への賠償金が払える保険」への加入を促進しているということです。
そして、この「自転車保険」は、国土交通省が示した「自転車損害賠償責任保険等」という名称によく似ている商品名です。また、自転車保険を取り扱う保険会社や代理店も「自転車保険の義務化」と表記して販売しているところがあります。そのため、新たに自転車保険へ加入する必要のない人が加入していることが大変多いです。
加入する必要のない人とは、自身または家族(一定の範囲あり)が契約している火災保険や自動車保険、クレジットカードなどに「個人賠償責任保険(相手にけがをさせた・相手のものを壊したときの賠償をする保険)」という特約がついている人のことです。その特約がついていれば、新しく自転車保険に加入する必要はありません。
自転車保険とは、自分のけがを保障する「傷害保険」と、「個人賠償責任保険」という2つの保険を組み合わせた金融商品です。
自分が加入する(している)保険は、どのようなときに、どのような補償が受けられるのかを一度確認してみましょう。
結局、どうすればよいの?
まずは、自分が加入している保険は何かを確認することが必要です。そこで、加入している保険会社のコールセンターに問い合わせてみましょう。インターネットで「保険会社名または商品名 問い合わせ」などで検索すると、連絡先が出てきます。
加入した保険会社の担当者や代理店の担当者の連絡先が分かる場合は、その担当者へ確認してみてください。
まとめ
毎月払う金額は小さくても、ちりも積もれば山です。1年、3年、5年と支払い続けると大きな金額になります。例えば、家族全員を補償してくれる月額980円のプランに加入した場合、1年で1万1760円、3年で3万5280円、5年で5万8800円となります。
自分が加入している保険を確認し、新たに自転車保険に加入する必要があるかどうか、調べてみるところから始めてみましょう。
出典
国土交通省 自転車損害賠償責任保険等への加入促進について
執筆者:石井麻理子
AFP・FP2級・損害保険トータルプランナー
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