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【公的介護保険】介護医療院って何? 特養や老健との違いは? 料金やサービス内容は?

ファイナンシャルフィールド / 2023年6月18日 23時0分

【公的介護保険】介護医療院って何? 特養や老健との違いは? 料金やサービス内容は?

2018年4月に創設された「介護医療院」は介護保険施設のひとつで、2024(令和6)年3月廃止予定の介護療養型医療施設からの転換先として期待されています。   本記事では介護医療院の特長、料金について解説します。

介護医療院とは

介護保険施設には、「介護医療院」のほかに、要介護高齢者(要介護3以上)のための生活施設である「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」、要介護高齢者(要介護1以上)にリハビリテーション等を提供し、在宅復帰・在宅支援を目指す「介護老人保健施設」があります。いずれの施設も入居一時金は必要なく、低所得者には居住費・食費の軽減制度があります。
 
介護医療院は、今後、増加が見込まれる慢性期の医療、介護ニーズのために2018年(平成30年)4月1日に創設されました。長期的な医療ケアと介護を必要とする場合に入所する施設で、生活施設としての機能を併せ持っていることが特徴です。
 
したがって、療養室の一室の定員は4人以下とすること、プライバシーに配慮し、多床室の場合でも家具やパーティション等による間仕切りを設置する等、長期療養にふさわしい施設となっています。
 
介護医療院は、医療法に規定する医療施設で、かつ、介護保険法による都道府県知事の指定を受けた施設です。
 
医師、看護師、介護職員、リハビリテーション専門職等が配置され、要介護者に対して、(1)療養上の管理、(2)看護、(3)医学的管理下での介護、(4)機能訓練等の必要な医療、(5)日常生活上の世話を一体的に提供し、入所者の能力に応じて自立した日常生活を営むことを支援します。看取りやターミナルの対応も、介護医療院の大切な役割のひとつです。
 
なお、病院ではないので民間医療保険の入院給付金の対象ではありません。利用できる方は要介護1以上の方です。病院に入院するほどではないが、喀痰(かくたん)吸引や経管栄養等日常的、継続的に医学管理等が必要なので、在宅や他の介護保険施設等で支援することが難しい方などが対象です。
 
介護医療院には大きく、従来の介護療養病床(療養機能強化型A・B)相当のI型と、介護老人保健施設相当以上の容体が比較的安定した方を対象とするII型があります。
 
令和3年10月1日現在、介護保険施設の施設数をみると、介護老人福祉施設が8414施設、介護老人保健施設が4279施設、介護医療院が617施設、介護療養型医療施設が421施設となっています。このように、介護医療院はまだ全国的に施設数が少ないので利用できる方は多くありません。
 

利用料金

専門職による医療サービス等が提供されるため、他の介護保険施設(特養・老健)に比べ月額費用は高めです。入居者の方の要介護度と施設サービスの内容により利用料金が決められています。詳細は図表1でご確認ください。

・利用者負担

〈I型介護医療院サービス費・サービス費(I)強化型A相当・従来型個室・要介護5の場合〉
 
日額1万2510円×30日=37万5300円
1割負担の場合 3万7530円

※上記のほか、食費、居住費、日常生活費などがかかります
 
【図表1】


 
なお、食費、居住費については他の介護保険施設同様、低所得者に対する軽減措置があります。ご自身の状況や詳細も含め、事前に確認することをお勧めします。
 

出典

厚生労働省 第152回社会保障審議会介護給付費分科会資料
厚生労働省 令和3年介護サービス施設・事業所調査の概況
厚生労働省 介護報酬/介護報酬の算定構造
厚生労働省 介護医療院開設に向けたハンドブック
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

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