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定年後も毎月「20万円」稼ぐと、年金はどれくらい増える? 稼ぎすぎると「支給停止」になる場合も?

ファイナンシャルフィールド / 2023年6月20日 2時20分

定年後も毎月「20万円」稼ぐと、年金はどれくらい増える? 稼ぎすぎると「支給停止」になる場合も?

法改正によって、以前よりも高い年齢まで働ける環境が整ってきています。この流れは今後も続くと思われますが、定年後も働いた場合、年金がいくら増えるのか気になる人も多いのではないでしょうか。   本記事では、会社員が定年後も働いた場合にどれくらい受け取れる年金額が増えるのか解説します。

定年後に働く人は増加傾向

政府は企業に対し、従業員が希望すれば65歳までの雇用を義務付けるとともに、70歳までの雇用を努力義務とすることなどを求めています。その結果、65歳までの雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%、70歳までの働ける制度のある企業は39.1%です。
 
また、総務省統計局のデータによると、65歳以上の高齢者の就業率(65歳以上人口に占める就業者の割合)は2011年が19.2%だったのに対し、2021年では25.1%まで増加しています。
 
中でも2021年の60~64歳の就業率は、男性が82.7%、女性が60.6%、計71.5%です。60歳で定年を迎えた後に働くことは、決して珍しいことではなく、むしろ主流であると言えるでしょう。
 

会社員がもらえる年金は2種類

日本に住む全ての人は、基本的に国民年金に加入します。しかし、会社員や公務員などは厚生年金にも加入するため、原則として65歳以降には、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2種類を受け取ることができます。
 

定年後に毎月20万円稼いだ場合に増える年金額

会社員が受け取れる年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金の2種ですが、老齢基礎年金は満額で79万5000円(令和5年度)です。
 
負担すべき期間(20~60歳)すべてで保険料を支払っていた場合、定年後にいくら働いても老齢基礎年金の金額に影響はないため、今回は老齢基礎年金の増額は考慮しないこととします。
 
続いて老齢厚生年金です。老齢厚生年金は、収入と保険料の納付年数に応じて年金額が増加する仕組みです。そのため、基本的には長く働くほど年金額を増やせますが、厚生年金に加入できるのは原則70歳になる誕生日の前日までです。
 
厚生年金の増加額は次の式で求められます。
 
平均月収×5.481÷1000×勤務月数
 
この式にあてはめると、60歳以降に毎月20万円働いた場合、5年働くと年間で6万5772円、10年働くと13万1544円もらえる年金が増えます。
 

年金をもらいながら働く場合、「働き過ぎ」に注意

定年後も働くと、将来の年金額を増やすことにつながりますが、年金をもらいながら働く場合は注意しなければなりません。その理由は、年金の基本月額と賃金の総報酬月額相当額の合計が48万円以上の場合、年金が減額または支給停止されるためです。
 
支給停止額の計算式(年額)は、以下のとおりです。
 
(基本月額+総報酬月額相当額-48万円)÷2×12
 
例えば、毎月年金を20万円もらいつつ、30万円働いて稼いだ場合、(20万円+30万円-48万円)÷2×12=12万円(月額1万円)が支給停止されます。
 

まとめ

定年後に働く人は増加傾向です。定年後に働くとその間の生活をより安定させることができ、将来の年金も増やせます。働き過ぎると支給される年金額が減る場合があることは認識しつつ、働くことで将来いくらの年金が増えるのかについても認識しておきましょう。
 

出典

厚生労働省 令和4年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します

総務省統計局 No.132 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで- 2.高齢者の就業

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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